シュタイナー教育で使われているおもちゃにはどういったものがあるのかご存じですか?
幼稚園、保育園に置いてある積み木やレゴなどのおもちゃとは全く違い、楽器やクレヨンまでもが違います。
モンテッソーリの教具のような知的に働きかけるものでもなく、創造力に働きかけるもの、というとわかりやすいかもしれません。
そして、シュタイナー教育で使われているおもちゃは全てが手作りです。
子どもが幼かったころ、このおもちゃでどうやって遊ぶのだろう??と考えたこともありました。
シュタイナー教育に触れることで、手作りおもちゃを作る楽しさ、おもちゃの力の無限さを知り、「子どもにとってのおもちゃ」を改めて考えさせられました。
ここでは、シュタイナーのおもちゃの世界、そして手作りおもちゃをご紹介します。
シュタイナー教育で使われているおもちゃとは??
シュタイナー教育のおもちゃといえば、木でできているおもちゃというイメージがあると思います。
シュタイナー園で実際に使われているおもちゃは、主に木、布、石、貝殻など自然のものが使われています。
木の積み木は一つ一つ磨かれており、子どもがたくさん触ることでさらに磨きがかかり触り心地の良いものになっていきます。
形は同じものは一つとなく、切り株のような形の物や細長い枝などがあります。
そのため、「積み木」として遊ぶこと以外の遊び方もたくさんできます。
布は1メートル四方の大きさの布や、お弁当包みサイズのものなど様々な大きさが用意されています。
色は単色で、ピンクや水色、黄色、緑など明るめの色です。
これらの布は、どのように遊ぶのか・・・と思っていましたが、子どもたちは体に巻き付けて衣装にしたり、家づくりをして屋根になったりカーテンになったり・・・使い方はさまざまです。
石は宝石のようなきれいな色の石や、ツルツルの石など大きさもさまざま。
石はままごとというよりは持っているだけで満足するようです。(大人の感覚と似ていますね)
その他にも、クルミや栃の実、どんぐりなどの木の実、1メートルの長方形の板やすのこ、木の踏み台などのおもちゃが用意されています。
手作りおもちゃ
保育室には大人の作った手作りおもちゃもたくさんあります。
遊び紐や立人形、おんどりやヒツジ、馬などの編みぐるみ。
赤ちゃん人形は子どもに大人気。
シンプルな赤ちゃんなので、子どもたちは人形にさまざまな表情を思い浮かばせて遊びます。
ここでは、簡単に作れる遊び紐の作り方をご紹介します。
【材料】
毛糸;ウール100%、並太
かぎ針;6号
【編み方】
くさり編みと引き抜き編み
1・くさり編みを好みの長さまで編む。(長さは70㎝以上で好みの長さ)
2・くさり編みの裏山または、くさりの半目と裏山をすくう。
完成!!
かぎ針がはじめての方はこちらの動画がおすすめです⇩
手作りおもちゃはほかにもいろいろあります。
年齢に合わせて作ってあげるとよいでしょう。
【乳幼児】作り方の分かるもの。
+大きなおくるみ人形
+段ボールで作った人形のベッドやゆりかごなど
+両手で投げられる大きめのやわらかいボール(羊毛ボール)
+隠れ遊びができるような毛布
【3~4歳】
+大きな単純なつくりの人形
+簡単に着せ替えのできる人形のための衣服
+枕、毛布、シーツなど、子どもが初めて用意する寝具類
+おままごとや扮装遊びをするときのための明るい大きな布類
+建物をつくるための様々なかたちの積み木
+単純な形の動物のおもちゃ
【5~6歳】
+子どもが自分で作った結び人形
+手作りの家具や調度品
+布や糸と針の入った簡単な裁縫セット
+遊びに使える布やカバン、扮装用の衣装
+木の切れはしや棒、金づちと釘。だたし、木を切るときは大人が手伝うこと。サンドペーパーややすり。ボンドも。
シュタイナーのおもちゃの効果とは??
シュタイナー教育のおもちゃはなぜ天然素材のものでしかもシンプルなものが多いのでしょうか??
それは、子どもの創造力、ファンタジーの力を引き出すためです。
「おもちゃ」というと、おもちゃ屋さんに売られているような色の鮮やかなもの、プラスチック製品のイメージが強くありますが、これらは大人が子どものために考え出したおもちゃです。
ままごとセット、プラレールやミニカーなど、これらは子どもの興味を強く引くことはできますが、そのものにしかなりえません。
ままごとセットの野菜はりんごであったりバナナであったり、本物ではなくにせものの果物です。
プラレールは線路をつなげて楽しめますが、線路以外のものにはなりません。
ある程度の創造力は必要とされますが、それ以上の力を発揮することができないのです。
こういったおもちゃで遊んできた子どもたちは、シュタイナーのおもちゃを目の前にすると遊ぶことが難しくなります。
ただの布、ただの木の枝だけではどのように遊んでよいのかわからないのです。
私がシュタイナー教育に惹かれ、シュタイナーのおもちゃを!!と思い、長女に与えたところまったく遊ばなかった・・・ということがありました。
私自身も子どもがどのように遊ぶのか、までは考えなかったのです。
しかし、長男がシュタイナー幼稚園に通うようになると、自然のもので遊ぶことができました。
おもちゃを買わなくても子どもはこれだけ遊べるのか、そして子どもの持つ想像力の豊かさに驚かされました。
遊び紐は、大人からするとただの紐ですが、子どもの遊びの中では板と椅子を括り付ける大切な役目を果たし、釣り竿の紐となり、ままごとの麺になり、衣装をまとう腰ひもになり、ヘアバンドにもなります。
できたものではなく、自然のありふれたものから、いかに想像力(ファンタジー)を使って遊ぶことができるか。
それが、シュタイナーのおもちゃが引き出す子どもの力です。
シュタイナー教育で大切にされているのは「子どもの創造力(ファンタジー)を豊かにすること」。
子どもの創造力が無から有を生み出すということにつながるのです。
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