3~6歳家庭でできる子育てのヒント~モンテッソーリ教育

3~6歳は「感覚・運動」の敏感期

モンテッソーリは、3~6歳頃に五感が研ぎすまされ(感覚器官の敏感期)、自分の
意志でからだを動かすことができる(運動器官の敏感期)という、二つのことが
ピークを迎えると考えました。自分の意志で行動する基盤ができる、大切な時期
なのです。3~6歳は「感覚・運動」」の敏感期。だからこそ、ひとりでさせて
みましょう。

モンテッソーリ教育は、感覚器官と運動器官と脳が完成する幼児期に経験すべきこと
を、教材を通して行えるようにしています。モンテッソーリ教育は感覚のことを
「世界への入り口。人間は、世界を知るための第一歩を自分の感覚で感じることから
はじめる」と述べています。
感じることは、考えるよりも先に子どもの脳に深く刻み込まれ、生きるうえでの
価値観をつくり出します。とくに幼児後期は「感覚」が洗練される時期です。もの
をよく見て、聞いて、触り、味わい、においを嗅ぐ。いずれも質の良い体験をたく
さんすることが大切だとモンテッソーリは考えました。そうした体験を通して洗練
された五感は、その後、あらゆることを区別し、秩序立ててものごとを考える助け
になるのです。
そして、感覚器官とともに重要なのが「運動器官」です。3歳頃からは、からだ
の各器官が発達し、自分の意志で動かす筋肉(随意筋肉)を調整する時期になります。
「からだ全体を動かす大きな運動」「平衡感覚を養うバランスを保つ動き」「手と
腕をしっかり使ったり、道具を使う動き」「指先を洗練させる動き」など、子ども
たちはさまざまな動きをしたがり、やりぬき、「自分の意志で動かせるからだ」を
つくるのです。
また、感覚器官と運動器官を使うことで知性を養い、自分で学び取る力を身につけ
ます。その力は、その後の人生を創造的なものにすると考えられています。

  家庭でできる子育ての6つのヒント

ここでは実際に子どもと関わるうえで気をつけたい6つのポイントをご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

1.五感を洗練させることが大切です

3歳を過ぎるころから、子どもはそれまで区別することなくスポンジのように吸収
した、膨大な印象を整理しはじめます。五感をフル活用して、ほんのわずかな違い
や差を区別し、自分の中にある混沌とした印象を整理整頓していきます。そうする
ことで子どもの中に精神的な秩序が生まれ、いろいろな状況を自分で判断できる
ようになるのです。そのためにも、この時期に五感を洗練させることが大切です。
ポイントは音なら音だけ、においならにおいだけ、といったように、一度に一つ
のことに重点をおくこと。感覚器官を通して脳が刺激され、からだを動かすという、
人間の基礎がこの時期にできあがるのです。

2.からだを動かすことで学ぶ

コップに液体を注ぐためには、手首や腕などいろいろな筋肉を自分の意志で動かす
必要があります。子どもはからだを動かすことで、からだとこころをコントロール
することを学んでいきます。

3.子どものリズムに任せて

子どもは自分の意志で選んだことを自分のペースで行うことで、全力で取り組めます。
そうすることで、意志の力や知性の働きが発揮できます。大人が口や手を出して、
リズムをくずさないようにしてあげて。

4.サイズのあった道具を

なにかをするのにサイズが合っていないと、子どもは人の手を借りなくてはならな
かったり、スムーズにできなかったりします。道具やモノが自分に合ったちょうど
よいものだと、子どもは自主的に動けるのです。

5.自由に使える場所にものをおいて

子どもは自分で「やりたい」と選んだことは、ねばり強くくり返します。それは
子どもの成長のうえで必要な何かがあるから。だから、「やりたい!」と思ったとき
に、すぐに手が届く環境が必要なんです。

6.やり方をゆっくり見せて

子どもに何かを教えるときは、言葉ではなく、動作を見せましょう。見せるときは
ひとつの動作だけでにして、他のものは、気が散らないように片付けます。そして
順序だててはっきり、ゆっくりと行います。
例・・・くつのそろえ方を子どもに見せる
➊ 靴を脱いだら、からだの向きを変えて、しゃがむ。
➋ 靴に手をそえる。
➌ 靴の向きを変える。
➍ 両方の靴をそろえる。
➎ 立ち上がる。

まとめ

いかがでしたか。3~6歳の子どもはいろいろと自分でできるようになり、「自分で!」
と主張することも多くなる時期です。一緒に生活をしていると、大人の都合で子ども
を動かしたくなりがちですが、子どもの意思が芽生えているときでもあります。子ど
もの気持ちに寄り添えるといいですね。

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