シュタイナーは、ちいさな子どもの暮らしには、リズムが必要だと話しています。
それはなぜ?日本シュタイナー幼児教育協会運営委員の入間カイさんのお話を
ご紹介します。
*入間カイ 那須みふじ幼稚園理事長・園長。
日本シュタイナー幼児教育協会代表。
眠りと目覚めのリズムを大切に
すべての生き物はリズムによって生きています。私たち人間のからだも、呼吸や心臓の
鼓動など、たくさんのリズムに支えられています。とくに幼い子どもは、からだの基礎
をつくっている真っ最中で¥なので、リズムはとても大切です。
ところが、現代社会は、24時間営業のファミリーレストランやテレビなど、生活リズム
を狂わせるものであふれています。大人の生活も、仕事のために不規則になり、子ども
に会えるのが夜と朝のわずかな時間だけということもあるでしょう。
ただ、リズムのことに縛られたり、不自由に感じたりする必要はありません。人間の
リズムは一人ひとりがつくり出すものでもあるのです。たとえ子どもと一緒に過ごせる
時間がわずかでも、そのなかで何ができるかを考えればいいのです。その手がかりとし
て➀年、➁月、➂週、➃日の4つのリズムがあります。これらは、大自然のリズムです。
人間は自然のリズムをお祭りや、一日の仕事、祈りのなかに取り入れてきました。それ
によって「人間のからだ」のリズム、そして「社会生活」のリズムが支えられていたの
です。いま、昔ながらの習慣の多くは失われてしまいましたが、私たち一人ひとりが自
分の現代の生活のなかで、無理のないリズムをつくり出していくことはできるでしょう。
リズムは「くり返し」です。誕生日をはじめ、季節ごと、月ごと、曜日ごと、そして毎
日くり返されるものが、「生活のリズム」になっていきます。大切なのは、大人が、自
分の意志で、自分の生活リズムをつくっていると、子どもが感じられることです。
特にお勧めしたいのは、子どもの「眠りと目覚め」のリズムを大切にすることです。
幼い子どもは成長とともに、しだいに「自分(わたし)」という意識を目覚めさせて
いきます。そして、夜眠ると、この「わたし」という意識が消え去り、ふたたび朝目が
覚めると同じ「わたし」という意識が戻ることを不思議に感じるようになります。
この頃、子どもが眠りにつく前に、一緒に歌をうたったり、お祈りのことばを唱えたり、
お話を聞かせてあげるなど、ちいさな「儀式」で眠りの世界に誘ってあげることができ
れば理想的です。そして朝、再びやさしい雰囲気の中で子どもを迎えてあげることです。
こうした「ちいさな儀式」は子どもたちの中に芽生えてきた「わたし」という意識を
支えます。子どもは、自分はおかあさんやおとうさんにとってずっと同じ「わたし」で
あり、この「わたし」はずっと愛され、受け入れられていると感じることができるのです。
大切なのは、自分たちが大人として作り上げているこの世界に、子どもたちが信頼と希望
をもって入ってこられるように、やさしく受け止めてあげることなのです。
まとめ
子どもが生まれて、はじめて赤ちゃんと過ごす生活はどんな風に過ごしたらいいのだろう?
そんな風に思ったことはないでしょうか?
子育てで一番といっていいほど大切なのが「リズム」です。生活リズムをきちんと
つけさせること。これって簡単そうで意外と難しかったりしますよね。
まずは、自分の生活のあり方をみつめ直すところから始めてみませんか?
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