「規則正しい生活は大切」とはいいますが、いつ頃から整えたらいいのでしょう。
小さい赤ちゃんは夜泣きが続いたり、昼夜関係なく寝たり起きたりするので、生活リズムを整えることが大変です。
お母さんはそんな赤ちゃんとともに寝起きをするので、幼稚園、保育園に入園前までは生活リズムは乱れがちになります。
そこで、シュタイナー教育で大切にされているリズムのある生活についてご紹介します。
家庭でも簡単にできるリズムのある暮らし方。
普段何気なく過ごしていますが、すべての者が持つリズムという不思議な世界の心地よさを体感できます。
リズムのある子どもの暮らし
子どもは秩序のある生活、流れがある生活に、安心感を覚えます。
ですから、一日、週、月、一年など、暮らしのなかにくり返されるリズムがあることが重視されます。
誕生日やクリスマスなどが、年に一回やってくること、曜日ごとにあそびや食事の素材が変わること、時間ごとにやることが同じであることなど、リズムにはいろいろな形があります。
リズムは、呼吸を意識するとよいでしょう。
吸う息は収縮、吐く息は拡張です。
部屋で静かにうたうときや、食事をするときは「吸う息」、外あそびで発散するときは「吐く息」と考え、交互に繰り返すことで、子どもの成長は健康的になります。
オーバーな刺激を与えないようにするのが子どもを安心させるポイントです。
朝
◆ゆったり目覚め 日の光をいっしょに
朝は夜の世界から、昼の世界へと移行する目覚めのとき。
夢の世界が、起きても続いているように過ごさせてあげたい時期です。
カーテン越しの薄明りで目覚めを迎えます。
夢の世界が壊れないよう、ゆったりと目覚め、順序よく朝の支度ができるように声をかけてあげましょう。
人間は、太陽の光を浴びると心のバランスを保つセロトニンが分泌され、体内時計が整います。
現代では、日中でもカーテンを閉めて部屋の中で電気をつけているケースも見られますが、太陽と電気の光は全く別物と心得てください。
なかなか起きない子には、さすってあげたり、歌をうたってあげたりしましょう。
◆身支度の準備は前の日に
スムーズに朝の支度を進めるために、前の晩に、着るものを用意しておくといいかもしれません。
着る順番は、いつも同じ、右手、左手、頭・・・というように。
そうすればひとりで着る準備にもなります。
シュタイナー教育では子どもに「選ばせる」ということをさせません。
子どもは大人のことを信頼しており、大人に従うことに喜びを感じます。
しかし、早いうちから子どもに「選ばせる」ことをさせてしまうと、子どもは自分の思いどおりになると考え、その結果「わがまま」をいうようになります。
着るものは親が決めて用意してあげるといいでしょう。
◆食事の前には感謝を
食前にトイレを済ませ、手を洗い、歌をうたって、お祈りをします。
幼稚園ではそのような順番を守ります。
家では「いただきます」の挨拶だけでもいいでしょう。
順番がいつも同じであることが大切です。
その流れに、子どもは安心して身を任せることができるためです。
食事の時のお祈りの言葉
大地がこれらをくださいました
太陽がこれらを実らせました
愛する太陽
愛する大地
私たちは決して忘れはいたしません
(R.シュタイナー)
子どものあそび
ちいさな子どもは、周りの大人や年長者を模倣することがあそびになります。
とくに、おかあさんの真似をするのが大好き。
母親と一体感のなかで、あそびを見出していきます。
ですから、台所に立っているときに、まとわりついてきたらチャンス!
おもちゃでなくてもよいので、お玉や使っていないお鍋などを渡してあげましょう。
成長するにしたがって、想像力を働かせてあそぶようになります。
やがて記憶力発達してくると、布を見て「お人形にしよう」、人形を見て「お布団をかけてあげよう」など、行動につながっていきます。
ですから身の回りにあるものは、行動のきっかけとなる、想像力に働きかけるようなシンプルなものがよいのです。
昼
子どもの仕事はあそぶことです。
あそびを通して、子どもはからだもこころも発達させます。
それだけ大切な時間なので、あそびの環境にはできるだけこころを配ってあげたいもの。
室内遊びも、外あそびもともに大切です。
想像力を育むあそびをたっぷりとさせてあげましょう。
◆子どものひとりあそび
3歳までの子どもは、まだ友だちとうまくあそべません。
一緒にあそんでいる気持ちでいても、それぞれ別のことをしています。
おかあさんとの結びつきが強いので、おかあさんの傍らでひとりであそんでいることにしあわせを感じています。
◆自然をたのしむ散歩もたっぷり
散歩は、同じ時間に同じ道を通ります。
そうすることで、 四季の変化を感じることができます。
また、この先に何があるかがわかっていることで、子どもたちは安心して踏み出すことができます。
ちいさな子どもにとっての夜の過ごし方の意味
夜眠ることには、大切な意味があります。
一日のできごとを、眠りの世界で消化する、という働きがあるのです。
昼間、息を吸うように取り組んだことを、眠りで息を吐きながら消化して、エネルギーに変えます。
そしてリフレッシュした状態で、また次の日の朝を迎えるのです。
シュタイナーは、眠っている間に天界に行き、新しい力をもらってまた地上に戻る、と考えています。
だからよく眠ることは、よい力を得ることでもあるのです。
ちいさな子どもは、11時間は眠る必要があります。
眠りの時間を、よい時間にするために、いろいろと心を配るとよいでしょう。
あかりを落としたら、ろうそくの炎を見つめ、こころを落ち着かせる、ゆったりとした歌をうたって呼吸を整え、眠りに誘う、などです。
夜
◆食事の支度は子どもも参加させて
子どもの意志は、手足から発達していくのですが、お手伝いなど、からだを動かすことをたくさん取り入れましょう。
それには、おかあさんもたくさんからだを動かして、真似してもらう必要があります。
子どもはすべてを受け取っています。
◆お風呂は歌をうたいながらでも
眠る前に、からだを温めると眠りが深くなります。
風呂から上がって冷えてしまうとかえって眠れないので、そんな時は足を温めます。
お風呂を嫌がる子もいますが、うたったりして、心地よさを感じれば、次第によろこびになるでしょう。
◆物語りをくり返し語る
寝る前の物語は2~3週間同じ話をくり返します。
寝る前ですから、こわくないシンプルな、こころがあたたかくなるお話をしましょう。
「もっと」とせがまれても「いいのよ」と、また同じ話を。
または、お祈りを一緒に唱えても、くつろぐ雰囲気が生まれてきます。
夜はだんだんと活動を静かにし、眠りの世界へと、自然に近づけるようにしてあげましょう。
夜のお祈りの言葉
私の頭も私の足も
神さまの姿です
私は心にも両手にも
神さまの息吹を感じます
私が口を開いて話すとき
私は神さまの意志に従います
どんなものの中にも
お母様やお父様や
全ての愛する人の中にも
動物や草花や
木や石の中にも
神さまの姿が見えます
だからこわいものはなにもありません
私のまわりには
愛だけがあるのです
(R.シュタイナー)
いかがでしたか?
どれも家庭で実践できそうなものばかり。
子どもは自分でリズムの作り方がわかりません。
大人が気を付けて子どもと一緒にリズムのある生活を心がけてあげたいですね。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
コメント