4~5歳の子どもは、社会生活や友だち関係が築かれ、生活範囲からちょっと離れたことにでも、興味関心が広がります。
また、自分の好みがはっきりして、好きな絵本を楽しむようになります。
お気に入りの絵本が見つかったら、くり返し読んであげましょう。
ちょっと長めの絵本も楽しめるようになります。
4~5歳の子どもにおすすめの絵本を紹介します。
4~5歳おすすめ絵本15選
『どろんこハリー』
くろいぶちのある しろい犬のハリーは、おふろが大きらい。
そんなハリーが、どろんこになり、しろいぶちのある くろい犬になりました。
家族はだれもハリーだとは気づきません。さぁ たいへん。
犬のハリーシリーズの3冊のうちの1冊です。
好き放題、体を真っ黒にして遊ぶハリーがかわいいです。
人間にはなかなかできないどろんこっぷり。
1956年初版ということもあり、蒸気機関車やスチームショベルなど、古い乗り物がたくさん出てきて、子どもたちは「これなぁに??」と興味津々で見ていました。
白にくろぶちのハリーが、どろんこすぎて飼い主に気づいてもらえなくて、頑張って芸をする姿もまたかわいい。
ハリーの自由奔放な姿が、活き活きと描かれていて、子どもたちから愛されている様子が伝わってきます。
シンプルな色合いもおすすめポイントです。
どろんこハリー
作:ジーン・ジオン 絵:マーガレット・ブロイ・グレアム 訳:渡辺茂男
出版社:福音館書店
『11ぴきのねこふくろのなか』
11ぴきのねこは、えんそくにでかけました。
道のたてふだの「してはいけないこと」をしていき、「ふくろのなかにはいるな」とかいてある おおきなふくろにも入りました。
するとふくろの口がとじられて・・・・。
大人気シリーズの1冊です。
「11ぴきのねこシリーズ」は子どもの頃に何度となく読んできたシリーズ絵本です。
お馴染みの11匹の猫が主人公です。
「はなをとるな」「はしをわたるな」等立て看板があるたびにねこ達は反対のことをしています。
最初にみんなをとめていたたいちょうもしっかり花をとってしまっているのも笑っちゃいます。
なにがあるのかな?次はどうなるのかな?
子どもは何度読んでも面白いようです。
ダメと言われるとやりたくなる子供の心理が良く描かれたユーモアたっぷりの1冊です。
11ぴきのねこふくろのなか
作:馬場のぼる
出版社:こぐま社
『くいしんぼうのはなこさん』
うしのはなこは、わがままほうだいで なんでもひとりじめ。
ある日、おいもとかぼちゃをたべて、はなこのからだは、ふうせんのようにふくれあがります。
ユーモラスな結末に、思わず笑顔がこぼれます。
「はなこさん」というネーミングに時代を感じますが、今読んでも面白いです。
とっても食いしん坊な上に、とんでもなくわがままなはなこさん。
飼い主が牧場に入れてみんなの中で育つと少しはましになるかと思いきや、今までしっかり食べてきたおかげかけんかも1番強くボス的存在になるところが面白いです。
絵本は 中谷さんの優しいタッチで描かれていて お話もわかりやすく子どもにもよく分かると思います。
作:石井桃子 絵:中谷千代子
出版社:福音館書店
『いたずらこねこ』
はじめてかめをみた こねこ。
まえあしで、かめのあたまを ポンとたたくと、くびがきえました。
もういちどたたくと、足がきえてなくなりました。こねこはびっくりぎょうてん。
シンプルな絵と色。ハッとする派手さはないのですが、じっくり読むと、とても楽しめます。
最初から終わりまで、場面が変わりません。
池と塀は変わらないのに、猫とかめに動きがあります。
かめの特徴や猫の動きの特徴がよく表現されていて、どうなるのかな、どうなるのかな、なんて思いながら読んでいました。
淡々としているのですが、何度読んでもハラハラします。
何がそんなにハラハラするのかって?!それは、ページをめくってからのお楽しみ。
いたずらこねこ
作:バーナディン・クック 絵:レミイ・シャーリップ 訳:まさきるりこ
出版社:福音館書店
『いっすんぼうし』
てのゆびほど ちいさい いっすんぼうし。
「わたしは みやこにのぼって、ひとはたらきしてこようと おもいます。」
おわんをかさにし、はしをつえにし、はりをかたなにして、でかけていきました。
日本の昔話の定番ですが、生き生きと愛らしいいっすんぼうしが秋野さんの手によって鮮やかに描かれています。
我が子はいっすんぼうしが鬼の口を刺したところと、打出の小槌でずん!ずん!と大きくなるところが面白かったようす。
読み終えてからも「痛そう~」とか「ウフフ~」と呟きながらまた見てました。
子どもだまし的なストーリー展開や絵ではなく、大人の心にもしみじみと沁み入る昔話絵本だと思います。
たんぽぽ横丁の絵の美しさや悪者であるはずの鬼の人間味あふれる表情に、はっとさせられます。
いっすんぼうし
文:いしいももこ 絵:あきのふく
出版社:福音館書店
『おかあさんだいすき』
きょうは、ダニーのおかあさんの たんじょうびです。
ダニーは、おかあさんにあげるものを みつけにでかけました。
さて、ダニーのおくりものとは?ダニーのまっすぐで優しい気持ちが伝わってきます。
60年前に出版されたロングセラーで2つのお話が収められています。
どちらもおかあさんと小さい男の子とのやりとりが描かれています。
男の子がお母さんのことをいつも思っていることが感じられて、とっても温かい気持ちになります。
おかあさんのお誕生日のプレゼントを動物たちとさがす男の子。
おかあさんがつくってくれた帽子を大切にする男の子。
子どもにとって、おかあさんに対する愛情ははかりしれないものだな~と感じました。
1番好きなのはおかあさん。
癒しを求めているおかあさんはぜひ読んでみて下さい。
おかあさんだいすき
作:マージョリー・フラック 訳・編:光吉夏弥
出版社:岩波書店
『キャベツくん』
おなかをすかしたブタヤマさんが、キャベツくんをつかまえました。
キャベツくんが「ぼくをたべるとキャベツになるよ」といいました。
「ブキャ!」ブタヤマさんは、びっくりしてしまいます。
長新太さんの作品は独特の世界観があり、読んでいるとじわじわきます。
シンプルなストーリーなので、イメージが膨らみます。
子どもは「ぶたやまさん」というキャラクターのとりこです。
「ぶきゃ」という鳴き声も印象強いのでしょうね。
展開がわかりやすく、文章が子どもにとって面白いのだと思います。
キャベツくん
文・絵:長新太
出版社:文研出版
『おふろだいすき』
まこちゃんは、いつも あひるのプッカをつれて おふろにはいります。
ある日、おふろのそこから、おおきなかめが ざぁーっと ういてきました。
そして、ペンギンやオットセイまであらわれて・・・。
読んでみると、意外と長いです。
でも子どもからすると、あっという間に世界に引き込まれて、飽きることなく聞き入ってくれる絵本です。
現実世界から、ファンタジーの世界へ・・・こんなお風呂があったら入りたい!!
林明子さんのやさしい絵が、暖かさを増しているように思います。
おふろだいすき
作:松岡享子 絵:林明子
出版社:福音館書店
『おおかみと七ひきのこやぎ』
おかあさんやぎのるすに、おおかみがこやぎたちを食べようとやってきます。
ハラハラしながら聞いていた子どもも、最後にほっと胸をなでおろします。
グリムの昔話です。
グリム童話は残酷な内容を隠すことなく、伝えています。
この絵本でも、悪いことをしたオオカミのお腹を切り裂き、石を詰め、最後は死んだオオカミを見て母子で「オオカミが死んだ!」と踊ります。
最後のシーンに抵抗を感じる大人もいると思いますが、子どもは絵からさまざまなものを感じると思います。
特にお母さんやぎの表情が豊かで、自分自身を母やぎに重ねて感情移入してしまうほど。
おおかみに大事なこやぎたちを食べられて、おいおいと泣きながら立ち尽くすお母さん、そして、末っ子やぎを抱きしめ、ぽろぽろと嬉し涙を流すお母さんの姿が、強く心に残ります。
おおかみと七ひきのこやぎ
絵:フェリクス・ホフマン 原作:グリム 訳:せたていじ
出版社:福音館書店
『しょうぼうじどうしゃじぷた』
じぷたは ちびっこしょうぼうしゃです。
はたらきものですが、なかなか出動させてもらえません。
そんなあるとき、山かじがおきました。いよいよ じぷたのでばんです。
乗り物がすきな男の子なら、表紙の絵にひかれて一度は読んだことがあるかも?!
長く立派なはしごを持つのっぽくん、消防車の花形、高圧車のぱんぷくん、など子どもも覚えやすい名前でいろいろな車が出てきます。
小さなじぷたの大活躍は、「小さいけどなんだってできるよ」という子ども時代の自尊心を応援してくれるように感じます。
ジプタの活躍は、見ている大人もわくわくさせてくれます。
しょうぼうじどうしゃじぷた
作:渡辺茂男 絵:山本忠敬
出版社:福音館書店
『すてきな三にんぐみ』
くろマントに、くろいぼうしの三にんぐみ。
それはそれは、こわーいどろぼうです。うばった たからは、さあどうする?
三にんぐみが考えた宝の使い道には、だれもが納得です。
絵本の表紙からして興味をそそられます。
泥棒なのにすてきって??
ティファニーちゃんとの遭遇で、どろぼうたちの暮らしは一変しました。
そう、子どもは大人を変える力を持っているんですね!
子どもたちはこういったお話が大好き。
悪い人だと思っていたけれど・・・・という展開がワクワクさせてくれるのでしょうね。
すてきな三にんぐみ
作:トミー=アンゲラー 訳:いまえよしとも
出版社:偕成社
『ぼく、だんごむし』
だんごむしは何をたべるの?くるっと丸まるのはなぜ?
身近な生き物のだんごむしの生態が、小さな子どもに分かりやすく書かれています。
物語が苦手な子どもにもおすすめです。
子どもたちにとっても身近なだんごむし。
かわいらしく、シンプルな絵で大人も知らないようなだんごむしの知識を得ることができます。
子どもたちといっしょに「へぇ~、へぇ~」といってみてはいかが?
読んだ後にだんごむしを探しに行きたくなる絵本です。
ぼく、だんごむし
文:得田之久 絵:たかはしきよし
出版社:福音館書店
『からすのパンやさん』
からすのパンやさんは、赤ちゃんが生まれておおいそがし。
おきゃくさんがすっかりへってしまいました。
そこで、みんなでかんがえて、すてきなパンをつくります。
いちごパンにきつねパン、テレビパンに はぶらしぱん!?
加古さんの絵本は、細かいところまで丁寧に描かれているところが大好きです。
子どもの頃に読んだ絵本で、今でも心に残っています。
もちろん我が家の子どもたちも大好きで、毎回たくさんの種類のパンを見ては
「どもパンがいい??」
とパン選びが始まります。
少し長めのお話ですが、テンポがよくリズミカルに読めます。
からすのパンやさん
文・絵:加古里子
出版社:偕成社
『こすずめのぼうけん』
はじめてそらをとんだ こすずめは、とおくまできて はねが いたくなってしまいました。
どこかでやすもうと、いろいろなとりの巣をたずねますが、どのとりも巣に入れてくれません。
読んでいるとちょっぴり切なくなる絵本です。
ストーリーテリングでよく語られるお話ですが、誰もが経験する不安や喜びが深く伝わるお話です。
娘は時々思い出したように、この絵本を「読んで~」ともってきます。
最後にお母さんすずめと出会ったときの安心感は読んでいる私にもたまりません。
こすずめのぼうけん
作:ルース・エインワース 訳:石井桃子 絵:堀内誠一
出版社:福音館書店
『ラチとらいおん』
ラチは、よわむしな男の子。
ある日らいおんがあらわれて、ラチをつよくしてやるというのです。
さっそく、ラチの修業が始まりました。
まずは「いち にっ さん!」ふたりで体操です。
図書館でよく見かける絵本の一つでした。
どんなお話かなぁと思って読んでみると、すっかりこの絵本の虜になりました。
子どもたちもこの絵本は大好きで、何度も何度もくり返し読みました。
ポケットに入ってしまうくらい小さならいおんですが、常にラチを励まし、体を鍛え、ともだちに話しかける勇気をあたえ、すごく心強い存在です。
我が家の子どもたちは、ラチとらいおんが一緒に体操するところ、椅子を持ち上げてみせるところ、などがお気に入りらしく、真似しています。
最後はらいおんが「もう僕がいなくても大丈夫」と、ほかの弱い子のところに行ってしまいますが、心温まる素敵なお話です。
ラチとらいおん
作:マレーク・ベロニカ 訳:とくながやすもと
出版社:福音館書店
まとめ
いかがでしたか?
最近では本屋にならんでいる絵本も多種多様になってきました。
子どもに絵本を読んであげたいけれど、どんな絵本を選んだらよいかわからない・・・という方には、せびおすすめしたい絵本たちです。
我が家では何度も「読んで!」と言われますが、くり返し読んでいると子どもたちはセリフを覚えたり、次のページをめくるのに毎回ワクワクさせてみています。
絵本は絵を見て楽しむこともできますが、親の声を聴くということで子どもの心を満たしてあげることができるんだなぁと実感しています。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
コメント