読書の教育的効果とは?読書が子どもに与える成長の効果について

絵本の世界

私たちの身近にある本。本は赤ちゃんからお年寄りまで、まさに老若男女問わず楽しめるものです。しかし、読書を苦手とする子どもがいることも事実。では、読書は私たちにどのような影響を与えてくれるものなのでしょうか。ここでは、読書の効果についてご紹介します。

 

子どもの読書は教育的効果があるのか??

「子どもをかしこく育てるためには、わが社のこの本を・・・!!」

我が子がかしこく育ってほしいと思うのは人情ですから、こういった言葉につりこまれてしまいます。こういった言葉をがありふれているということは、それが一定の効果をあげているということ。つまり結論から言うと、読書は教育的効果があるといえます。

 

読書週間であらわれた読書の2つの効果

鹿児島県で行われた「親子20分間読書運動」。この運動の目的は、「子どもを本好きにする・子どもに読書の習慣をつけてもらう」ことのみに行われました。すると結果として2つの効果が見られました。

それは、学力の向上と非行の減少です。読書と学力について、これま調査や研究が行われたという話は聞きませんが、その関係は決して矛盾・対立する関係ではないことは想像できます。そして、本好きの子どもで学力が劣る子はないといっても過言ではありません。

そもそも、読書は記号にすぎない文字を読むということから始まります。そういった面から、理解力が要求され、理解力からさらに表現力も身につきます。

読書によって、既知の世界をを再確認し、また未知の世界をも経験することができます。そこには、想像力と空想力が養われるでしょう。想像力と空想力が豊かになることで、さらには推理力や応用力もついてきます。

こうして読書を通して、理解力、表現力、想像力、空想力、推理力、応用力といった本当の学力と言えるものが身につくのです。

 

読書嫌いには理由がある??

「本を子どもに読ませることが、子どもにとってためになる」「読書=教育」といった考えは子どもにとっては迷惑な話であり、逆に子どもを本から遠ざけてしまいます。悪意ではなく、善意から・・・ということには違いないのですが、日本の先生やお母さんの中には、「子どもに本をよませるのは子どものためだ。」という考えをもった人が多くいます。

読書をすることで、子どもは賢くなる、立派に育つ、子どもの役にたつというような教育的な考えが根強くあるからです。

読書=教育という考えは、子どもに本を読んでほしいという思いとは逆に、子どもを本から遠ざけてしまいます。例えば、子どもに絵本を読んでやりながら、大人は無意識のうちに「ひらがなが読めるようになるだろう」「きっと何かの知識を覚えてくれるだろう」といった期待感を持ち、無意識に本を押し付ける結果となり、それが子どもを本嫌いさせる原因となっているのです。

幼いうちから、親子で読書は楽しいという経験をしてきた子どもは、豊かな経験を多く積むことになるのです。

 

マンガが嫌いになる特効薬!?

子どもと読書の問題を考える際に私たち大人が絶対にしてはならないことが2つあります。それは「強制と禁止」です。

強制は、子どもに対して本を押し付けるということ。
禁止は、子どもから本を取り上げるということ。

ある一人のお母さんが、「マンガが嫌いになる特効薬はないかしら」と冗談をいいました。そんなことから、ある小学校の五年生の一クラスで、国語の時間に教科書の代わりにマンガを使った授業を行うことになりました。子どもたちに教科書ではなく「少年○○デー」を与えると、子どもたちからは大歓声。何という理解のある学校と先生だろう!!そんな声が聞こえてくるようです。

マンガには難しい漢字が使われていますが、それらは新出漢字としてとりだし、筆順まで行います。マンガのセリフで、最も多いのは「アッ」や「げっ」などの擬態語・擬音語・間投詞・感嘆詞の類です。それらをセリフ一つ一つに分類分けをさせます。そして、国語では欠かさず問題となっている「それでは、この擬声恩を発している登場人物の心情を考えてみましょう」。

こうしてマンガを強制させることで、子どもたちはすぐに音をあげ「もうやめてほしい!」との申し出がありました。

「マンガはお母さんや先生に怒られしながら読んだ方が、ずっとおもしろい!!」

子どもたちは口をそろえて言いました。

このことから、いかに強制と禁止が子どもを本嫌いにするかが伝わったと思います。

 

読書のもつ最大の教育性

読書が教育的な意味を持つということが、子どもにとっていかに有害な考えになるかお判りいただけたでしょうか。

しかし、この逆の考え方にこそ望ましい読書の在り方と言えるでしょう。読書とは、「楽しみ」「喜び」のためのものという考え方です。子どもの人生にとって、楽しみはいろいろあります。友だちと遊んだり、おいしいものを食べたり、海や山で過ごしたり、テレビやマンガを見たり、いろいろな楽しみ、喜びが子どもをとりまいています。その一つ喜びや楽しさに勝るとも劣らない魅力をもつのが読書です。

大勢の子どもが本を読むことの歓びに浸っている中、読書を楽しめない子どもがいることも事実としてあります。そうした子どもたちに共通しているのは、読書歴を含む生活の直接・間接体験が貧困だということです。

豊かな読書歴と豊かな生活の直接・間接体験をもった子どもは読書の歓びに十分浸ることができます。一方、そのような経験をもたない子どもは、ほとんど読書の喜びに浸かることができず、どんなに面白い本を与えてもポカンとしているばかりなのです。

人間の空想力・想像力はその人間の経験量に比例しています。意表を突くような想像力はその人の経験の範囲を超えることは決してありません。そこに、読書の意味が生まれてきます。本の世界では、実際の人生では体験できない時代や場所、事件や行動を経験させてくれます。こういった、直接体験はできなくとも、間接体験を重ねることにより、豊かな経験量をもつこととなり、それが空想力・想像力の土台となっていくのです。

この経験の拡大こそが、読書のもつ最大の教育性だといえるでしょう。

この魅力を知らない子どもがいるとすれば、それはほかの子どもよりつまらない人生を送っていることになります。ぜひとも、この楽しみ、喜びにみちた読書の世界を知ってもらいたいのです。

 

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