絵本が子どもに与える影響は?本が与える5つの効果

家庭でできる教育

インターネットやビデオが発達し、今では簡単に知りたい情報を得ることができるようになりました。

わざわざ本を読まなくても、動画を見れば済んでしまうことはたくさんあります。

けれども、あえて言わせてもらいます。

読書こそ、教育の中核といえます。数学の文章問題も社会も理科も文字が読めなければ何も始まりません。

読書は教育の要であり、長生きの安全ベルトであるといえます。

少し話しは反れますが、ある研究所で長寿の要因を人種、性別、地理的要素、教育、結婚、食事、喫煙など幅広く調べたことがありました。そのなかで最も長寿に関係していたのは「勉強」でした。そして、アメリカで義務教育が導入された時代、100年前までさかのぼって調べると、驚くことが分かりました。それは、1年教育を受けると平均寿命が1年半ずつ伸びていくということが明らかになりました。

子どものころからの読書量と語彙量がアルツハイマー病に対する免疫効果を発揮するという結果も出ています。

ビデオやインターネットが普及した現代社会でも、こういった研究結果を合わせて考えてみると「読む力」が一番大切だということが断言できます。

 

本が与える5つの効果

なぜ「読むこと」がそれほど重要視されているのでしょうか?簡単に表すと次のようになります。

    1. 本を読めば、それだけ知識が増える
    2. 知識が増えれば、賢くなる
    3. 賢くなれば、進学することができる
    4. 進学できれば、学歴もよくなり長く働くことができる。そのため生涯資金も増える
    5. 学歴が高ければ、子どもの成績もよくなり自分自身も長生きできる

では、逆に本をを「読まないこと」ではどうなるでしょう。

  1. 本を読まなければ、知識は増えない
  2. 知識がなければ、途中退学してしまう
  3. 学校を退学したら、ずっと貧乏なままであり、犯罪を犯す確率が高まる

貧困と学力低下には厳密な関係があります。刑務所いきになってしまう原因として、学力が低いと人生に絶望し、犯罪を犯しやすいことが以下、統計として示されています。

  • 受刑者の70~82%が途中退学者である
  • 受刑者の60%が、字が読めないか、それに近い状態である
  • 教育を受ければ受けるほど雇用の機会は増え、逆に刑務所に行く確率は減る

それでは、なぜ途中退学者が出てしまうのでしょうか?

それは、課題をこなすだけの読解力がないからです。

読書をしない国民は無知な国民となってしまいます。知識がなければ家庭でも、市場でも、裁判でも選挙でも間違った判断をしてしまいます

「本を読む国」は発展し、「本を読まない国」はどんどん退化していくのです。

 

読み聞かせの効果

本は自分で読むだけでなく、読み聞かせでも効果があります。

読み聞かせの効果を証明した研究は数多くあります。

家庭での読み聞かせの頻度が高いと、言語音への感受性、言語能力の向上、基礎的読解力の向上に影響を与えるという結果が出ています。そして、読み聞かせは年齢が低く、早ければ早いほど効果的だということです。

小学校の低学年になっても、同じ絵本を最低3回くり返し読んでもらうことで、15%から40%語彙力が向上し、定着率も高くなるということも明らかになりました。

いつも読み聞かせをしてもらっている子どもは、それだけたくさんの言葉を聞き、いろいろなことを理解できるようになります。

しかし、読み聞かせは「ベビーシッターがやるものだ」「ちいさい子どもに一時的にやるだけで十分だ」と考えている人は意外と多いのです。

読み聞かせは人類の歴史の中でも重要な要素を担ったものです。2千年以上前のユダヤ教徒は子どもをひざに乗せて読み聞かせをしていました。それから千年後の修道会でも読み聞かせに対しては生活指導の中でも重視されるものでした。

そして、工場の労働者に対する読み聞かせの歴史もあります。

キューバのたばこ工場では、高度な技術で熟練した職人が一本一本手作業で一日に数百本の生産がされていました。息のつまるような単純作業であることには変わりありませんが、職員たちの気を紛らわせるために、工場での読み聞かせが始まりました。毎日行われる読み聞かせは、労働者の知性向上や意識改革に貢献しました。

しかし、世界恐慌の影響で、読み聞かせは廃止になり、今では読み聞かせはラジオにとって代われてしまいました。

 

本は理想の家庭教師

言葉は学びの「柱」と言えるものです。

言葉の入り口は、目と耳の二つだけです。言葉の習得は、目で読むか、耳で聞くしかないのです。

目で読めるようになるには、文字を覚える必要があり、何年もかかります。ですから、最初は耳で聞くしかないのです。音で伝えられた言葉の音が、後に目から言葉の意味を知ることに役に立ちます。親が語りかけた言葉の音が、子どもの脳で「柱」となるのです。

親は子どもに話しかけることで子どもを安心させ、楽しませ、絆を作り、情報を伝え、好奇心を芽生えさせ、インスピレーションを与えます。

子どもに読書の楽しさを伝えるには、まず読み聞かせを習慣化すること。この経験こそが、子どもの「読む力」をつけさせるのです。

 

 

 

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