あなたは小学生の性教育について、親としてどのくらいかかわる必要があると思いますか?
自分自身、性教育は学校で習ったことしか知らなかったので、子どもがどうやって生まれてくるのか?どのように体が変化していくのか?・・・という具体的なことまではよくわからないまま大人になった気がします。そんな自分の経験を思うと、子どもにはきちんとした知識を持ってほしいと思うし、何かあったときに親として、女性として相談できる関係をつくっていたいという思いもあります。日本では性教育に関してはあまりオープンではありません。性教育の授業内容も学校によって、違いがあるようです。家庭でも、性に関しての会話ができているところは少ないでしわかる思春期になると、子どもたちは、そんな隠されたような性の事に興味関心が出てきます。それは、自分や周りの友達の体つきが変わっていく中で、当然生まれてくる関心事です。
長女が小学3年生になったとき、保護者間のなかで、性教育についての話が少し出始めました。その後も親に対して、性教育についての講座もおこなわれ、自分自身とても勉強になりました。ここではそんな性教育についての家庭でのあり方、社会でのとらわれ方をご紹介します。
性教育と家庭の役割
子どもからの質問によくあるのは「赤ちゃんはどこから生まれてくるの?」というもの。この質問に親御さんはどのように答えているでしょうか?
大半の親御さんは口を濁らせて、きちんとした説明をしないままでいるのではないでしょうか?しかし、子どもからの質問、疑問は絶好のチャンス!!なんです。性については実は幼児期から伝えるべきことで、遅くても8歳までに教えてあげることが必要なのです。それは、体つきが変わったときに知っていないということは、子どもにとっては悲劇だからです。
何も知らないで自分の身体が変わっていくことは、恐怖でしかありません。子どもが幼いうちから話をきいていることで、子どもは受け入れやすくなるのです。ではなぜ、8歳までに教えてあげる必要があるのか?それは、9~10歳になると他者への関心が高まり、それが性に対する目覚めになるからなのです。
性についてどのように子どもは知っていくの?世界の性教育事情は?
世界各国では、性教育は基本的人権として認知されています。海外でも特に北欧の性教育は進んでいると言われていますが、フィンランドはその代表的例といえます。性教育が必修になっているフィンランドでは、中学校の教科書では、異性愛や同性愛、ペニスの形は様々あること、マスターベーションの説明などについてもふれており、授業を通して子供たちは性についての正しい知識を身につけていきます。性教育を学べる科目「健康教育」もあり、大学入試の科目にもなっていることからも、性教育がいかに重要なものと考えられているかがわかるでしょう。
【フィンランド】
性教育は必修科目で、スクールナースが学校巡回,無料の避妊相談,コンドームの提供を行っています。そのため、 若者の中絶数・出産数が減少。
【イギリス】
基本的に「性教育は家庭で行うもの」との考え方が強く,学校によっては PSHE の授業は行っていても,性に関する単元にはあまり触れない,というところもある。それでも科学は11~14 歳で必修なので,その中で性や生殖について学ぶ。原則として保護者は子どもを性教育の授業から退席させる権利をもつとされるが,ただし必修の科学で扱う生殖などの授業においては退席権が認められない。
【フランス】
1920~ 1967 年までは学校での性教育は禁止されていた。
1967 年 避妊が公認され,それ以降教育課程に性教育が加えられる。
1973 年 生物学的側面についての教育が開始
1998 年 性教育の必修化
2001 年 中絶と避妊に関する法律の改訂を受けて学校性教育が法定化
性に関する情報提供や相談,場合によっては中絶手術なども受けられるユースクリニックや保健所,相談所,NPO 施設などが開設されている。そのほとんどが無料だが,これらを支える予算としては国や自治体がしっかり組んでいることもあり,寄付文化があるヨーロッパでは寄付金もかなり集まる。
【ドイツ】
ドイツでは、小学5年生から生物の授業で性の知識を包み隠さず伝えます。そして、家庭でも性教育を教えています。オランダ人は、親が自分の子どものことはすべて知りたいと思うため、性のことは誰よりも親が教えたいそうです。こういった国がある一方で、学ぶ機会のない、スラムの子どもたちは、いとこや友人に教えてもらいます。
国によって性教育のあり方はさまざまですが、きちんと性教育を受けた子どもたちと、そうではない子どもたちの未来は全然違うものとなっています。性教育というと、日本では学校で習うものや、いやらしいものとしてみるような気がします。子どもは知らなくていい、教えるべきではない・・・日本の社会全体がそんな雰囲気であり、親も性についての話はほとんどしません。
では、日本の子どもたちはどのようにして「性」に対しての知識を得ているのでしょうか?それは、雑誌やインターネット、友だちなどからの情報が主です。これはブラジルのスラムの子どもたちと同じです。そして性の知識について、日本の大学生はヨーロッパの高校生と同じレベルだそうです。
現代社会では、インターネットの普及によって曖昧な情報がたくさんあり、またインターネットの情報イメージは、性本来のものとはかけ離れています。これらを「おかしい」と感じるものがなければ、危険なのです。そのためにも、子どもたちには、正しい時期に正しい知識が必要です。性教育のイメージはネガティブにとらわれがちです。しかし、人生をよりよく生きていくためのものとして学ぶべきものです。
世界の中でSEXをした年齢アンケートでは、日本は特別扱いされており、数値が世界と比べて低すぎます。昔はSEXをさせない教育をしていましたが、今の時代はSEXをどうやってさせるかで悩み始めています。結婚をしない、子どもを生まない、子育て経験がなくなる、これらの先にはいったい何があるのでしょうか。
2018年の教育では、性教育は県によってさまざまで、教えていないところが多いといいます。これがどういうことなのか、よく考えるべきだと思います。
家庭でどうやって教える??性教育の話
多くの親は、性教育について、早くから知っておくべきという思うがあるようです。では、家庭内でどのように子どもに性教育の話をしたらよいのでしょうか?ここでは、子どもが理解しやすいおすすめの本をご紹介します。
メグさんの女の子・男の子からだBOOK
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この本は、子どもと大人が一緒に読める内容の本になっています。絵本のようなストーリー仕立てになっているので、親子で一緒に読むのにおすすめです。低学年でもわかりやすく、子どもの「なんで??」に答えてくれるでしょう。そして、親のどうすればいい??という質問にもきっと答えてくれます。「性に関するゆがんだ情報から、子どもを守るには?」など、性教育についてのQ&Aも満載です。
いのちはどこからきたの?―9歳までに伝える「誕生」のしくみ
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妊娠前、妊娠中、産後の女性ややカップルに妊娠、出産の生理的な仕組みや、その素晴らしい力について、バースコーディネーターの大葉ナナコさんがわかりやすく伝えてくれています。「9歳までに話すのはなぜ?」「生きる力を育ててあげるということ」「初体験が早い子の共通点とは?」など、性教育にかんする気になる内容がいっぱいです。Q&A集では「わざわざ親が教えなくても、自然に知る。それでいいんじゃないですか??」という質問では、日本の性教育がどのように普及していったのかがわかりますよ。
13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと
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こちらは長女のお気に入りの一冊。何か不安?があるときなどに読んでいます。漫画になっているので、子どもでも読みやすくなっています。「ナプキンの種類」や、「生理のときにやってはいけないこと」、「整理のときの快適ストレッチ」など、体のケアの仕方についても紹介されています。女の子と事だけでなく「男子って何考えているの?」といった異性に関してのことものっているので、男の子との付き合い方もわかるかも。性について、興味が湧いてきた子にはおすすめの一冊です。
まとめ
いかがでしたか?
こういった本を親子で読むことで、子どもは親が一緒にこの話を聞いてくれた、家でも性について話をしてもかまわない、という許可を得たようなものです。子どもがそう思って、なんでもはなしたり、相談してくれるようになればしめたものです。子どもが小さいころから、親子で自由に性の健康について話ができるようになっていれば、子どもが思春期の悩み多き時代を迎えても、きっと親子でスムーズに乗り越えていけるでしょう。長女は5年生になり、他者との体つきの違いや異性への関心が出てくるようになりました。他者への関心は「性」への目覚めだそうです。まだ早いような気もしましたが、娘は性に関して、知っていることで心の準備にもなっているようです。子どもはあっという間に成長していきます。子どもが大きくなって、体が変化を始めてから、子どもが質問してきたら・・・では遅いのです。まずは、親がどういったタイミングで、子どもと話をするのか、心の準備をしておくことをおすすめします。
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