人間の成長を7年ごとの周期で考えたシュタイナー。
彼は0~7歳の時期をどのようにとらえ、大人が何をしたらよいと考えていたのでしょうか?
家庭で取り入れられる部分も多い「シュタイナー教育」に迫ります!
0~7歳 シュタイナーの考える子どもの成長
「からだ」ができあがる季節
0~7歳の幼児期にする仕事は、まず土台となるからだをつくることだとシュタイナーは考えます。
目が見えて、首がすわり、耳が聞こえて・・・とからだのあらゆる部分が発達していく季節。
この時期には、まだ眠っている「感情」や「思考」を刺激してはいけません。
体が成長するためには、静かで、穏やかで、やわらかく、あたたかな環境が必要です。
子どもにとっては、大人の存在も大きな環境の一部です。
この時期に重要なのは
「早く早く」
とせかすことよりも、
何はさておき
「からだ」をしっかりつくること。
それが、後に「思考力」を発達させるためにも大切なことだと考えられています。
とにかく「模倣する」
シュタイナーは、この時期の子どもの本性・欲求は「模倣すること」だといいます。
さらに「幼児が最も関心をもつもの、それは人間です。私たち大人です」と言っています。
たとえば、休日に家でゴロゴロしている連れ合いを見て、あなたがイライラして文句を言ったとします。
子どもがその様子をみて、聞いて、からだ全身で受け取った子どもは人形に向かって、あなたそっくりな口調で、イライラした様子で人形に話しかけることでしょう。
そう、子どもは大人のようすや動作を全身で感じ取り、その動作やしぐさを真似することで学んでいるのです。
ですから、大人が
「~だから○○しなさい」
と、ことばで知的な伝え方をしても、子どもには伝わりません。
それよりも、行動で示すことが大切。
「片付けなさい!」
というより、大人がたのしそうに片づけをしている様子を見せるほうがよいのです。
「からだ」全身でものごとを受け止めて
たとえば、大人は何かが起こったとき、それに対してまず何かを思考することができ、起きた事柄といったん距離をおくことができます。
つまり、大人は
①思考⇒➁感情⇒➂意志
の順番でものごとを受け取ると考えられています。
それに対し、幼児のものごとの受け取り方は大人とは全く逆で、
➀意志⇒➁感情⇒➂思考
であると考えられています。
幼児期は全身が感覚器官となっており、何かを思考する前に、そこで起きたことの何もかもが自分の中に入ってきてしまいます。
たとえば、周りの大人がたのしそうにしていたら、自然と子どもはたのしい気分になるし、逆にイライラしていたら、子どもはそれを全身で感じ取ってしまうと考えられています。
このように、ものごとの受け取り方が大人と違うため、大人の尺度で子どもに
「○○しなさい」
とことばで説明をしても、実際にはよくわからないか、子どものもつ成長の流れを押さえ込んでしまうことになってしまいます。
『意志』の種を育てる季節
草木が土から天に向かって伸びていくように、人間が生まれ、育つときも同じように下から上へ伸びようとする力が働きます。
しかし、一方で、ひとの「からだ」や草木の葉などは「物質」なので、引力にしたがって上から下へ落ちようともします。
つまり、生命が伸びようとするとき、地球の引力に対抗して伸びていこうという、
「意志」
が働いてるといえます。
シュタイナーはこう言います。
「立つということは、大地に足を踏ん張り、絶えず瞬間瞬間、引力に逆らって直立にからだを立てることだ。
これはひとの絶えざる『意志』を表している」
つまり、幼児期は自分の中にある
『意志』の種
を育むときといえるでしょう。
わたしたち大人は、子どもたちの内で、こうした力が、ふさわしいときにふさわしく育つよう助けなければならないのです。
まとめ
いかがでしたか?
子どもが世界をどのようにとらえ、大人がどのようにあるべきか。
シュタイナーの伝えたかったことは、とてもシンプルで子どもにどのように接したらいいのか悩んでいる母親にはとても分かりやすい指針になるように思います。
子育てで悩むことは多々ありますが、子どもがなぜそのように動くのか、その原因がわかると対処もしやすいものです。
子育ては自分育て、子は親の鏡、ともいいます。
子どもがどのように成長していくかを知ることで、きっと子どもとの向き合い方も見つかるはずです。
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