インフルエンザを日本語訳にすると「流行性感冒」つまり「はやり風邪」です。
厳密には違うと言う説もありますが、実際そういう意味で使われていることが多いようです。
これはインフルエンザの最も厄介な特徴を表しているといっていいでしょう。
つまり、強力な伝染力によってあっという間に大流行を起こす危険性があるということです。なので、私たちはそれに巻き込まれないよう自衛しなければなりません。
ではインフルエンザとはどのようなものなのでしょうか?
症状や感染経路についてみていきます。
インフルエンザの症状と感染について
インフルエンザ症状とは?
インフルエンザウイルスに感染した場合、約1~3日の潜伏期間の後、インフルエンザを発症します。
続く約1~3日では38℃以上の突然の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状が強くあらわれます。
あわせて鼻水、咳、のどの痛みなどの呼吸器症状がみられます。
通常は、10日前後で症状が落ち着き、治癒します。
インフルエンザの種類と感染力
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型に大きく分類されます。
新型インフルエンザと呼ばれるものは基本的にA型です。
最も流行性の高いウイルスで世界規模の大流行のほとんどがA型とのことをいいます。
◆インフルエンザウイルスA型の特徴◆
•非常に変異しやすく多くの種類が存在する
•爆発的なウイルス増殖速度を持っている
インフルエンザと風邪の違い
発症してからの症状の違いで見分ける方法があります。
風邪の症状といえば、発熱、鼻水、のどの痛み、咳などがあげられます。これらはアデノウイルス、RSウイルス、ライノウイルスなどのウィルスが「風邪」を引き起こします。
このウィルスたちはそれぞれの特徴を持っているため、「風邪」と一言でいってもそれぞれ違った症状が現れます。
一方「インフルエンザウィルス」は一般的にかかるウィルスよりも感染力が高く、インフルエンザの方が悪寒、関節痛、高熱などの全身症状が重く出ます。
また、これらの症状が前触れもなく突然現れるのが特徴です。
風邪は発熱などの症状もありますが、インフルエンザほど高熱になることは稀です。
それから風邪は咳や痰、鼻水などの症状から発症することが多いです。
風邪はゆっくり発症するのに対し、インフルエンザは急激に発症します。
また、発生状況としてインフルエンザは流行性、風邪は散発性であるといえます。
診断技術の進歩によって、かぜと思われる程度の症状でも、インフルエンザと診断されることが多くなっています。
インフルエンザが流行しているときには、熱が低くても、全身症状があるようでしたらインフルエンザの可能性があります。
インフルエンザは、ウィルスによる感染症で、38度以上の高熱が急にあらわれ、悪寒、頭痛、関節や筋肉の痛み、倦怠感など、全身に症状が現れるのが特徴です。
インフルエンザの感染経路
インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症であり、主に以下の二つの経路により流行します。
1.飛沫(ひまつ)感染
インフルエンザに感染している人がくしゃみや咳をすると、唾液が周囲に飛び散ります。
そのときに空気中に飛散したウイルスを周囲の人が吸い込むことで、他の人の体内にウイルスが入り感染します。
2.接触感染
インフルエンザに感染した人が手のひらで口を抑えると、手にウイルスが付着します。
その手を洗わずに多くの人が触れるところ(電気のスイッチやドアノブ、つり革など)に触れるとウイルスが残ります。
そして後から同じところを触った人が、自分の鼻や口に触れ、感染します。
日常生活におけるインフルエンザ対策
インフルエンザにかからないためにはどのような対策ができるでしょうか。
日常生活を気をつけるだけで予防することができます。
1.体調管理
・睡眠を十分とる
・規則的な生活
・栄養バランスの整った食事
・疲れをためないこと
2.生活環境
・ストレスが強い環境を避ける
・インフルエンザウイルスは、乾燥している環境で増殖するため、空気乾燥させない(加湿器の使用や、濡れタオルを室内に干すなど)
・外出はあまり混まない時間帯を選ぶ(多くの人で混み合っているところは、感染の可能性が高くなります)
基本的には風邪予防と同じ方法だと考えていいでしょう。
インフルエンザ予防接種について
インフルエンザワクチンについての論文
アメリカで今月発表されたインフルエンザウイルスの感染経路に関しての医学的研究についてご紹介します。
それは「季節性インフルエンザ症状を示す患者の呼気からの感染性ウィルス」ということが示されている論文。
この研究は、米国メリーランド大学の専門家などによるもので、今年 (2018年)1月18日米国科学アカデミー紀要に掲載されました
論文の内容は、シーズン前にインフルエンザワクチンの接種を受けていた人が、その後、インフルエンザにかかった人の「呼気」から排出されるインフルエンザウイルスの量は、「接種していない人より 6.3倍多かった」ということがわかったのです。
これは、ワクチンを接種した人たちは感染した後に通常より大量のインフルエンザウイルスを周囲に撒き散らすようになるということです。
参照:https://indeep.jp/flu-vaccine-may-increase-virus-infecting-risk-6-times/
インフルエンザ予防接種は予防じゃない!?
そもそもワクチン接種は、標的とされた病原体に対して免疫性を付与するという疑問のない確信に基づいて行われています。
日本では「おたふく」や「はしか」「水ぼうそう」など赤ちゃんが生まれると予防接種表をもらって、せっせと予防接種を受けに行きます。
これは、ワクチンを接種することで免疫をつけて病気にならないようにするもの、病状を軽くするために打つものです。
そのために「ワクチン接種」と「予防接種」という用語が、しばしば同じ意味として使用されることがありますが、これは不自然な意味の理論的混乱。
なぜなら、インフルエンザワクチンの場合、予防についての確実性は完全ではないから。
そこにあるのは、むしろ宗教的信念と近い概念ともいえるのかもしれません。
予防接種の効果は?
今年(2017~18年)のインフルエンザは昨年度と同じ時期に比べて5.7倍多かったといわれています。
インフルエンザの予防策として予防接種をすることを厚生労働省では推奨しています。
メリットはあくまでもかかってしまった場合の発症をどれだけ防ぎ、症状をどれだけ軽く抑えられるかという点です。
この点を誤解しないようにしましょう。
インフルエンザの予防接種を受けるか受けないかは個人の判断
インフルエンザの予防接種は65歳未満の人は定期接種ではありませんので、全額自費での接種になるため、決して安価なものではありません。
だいたい3000円~5000円くらいでしょう。
また、接種したら100%効果があるわけでもありませんし、副反応による健康への悪影響もゼロではありません。
ですので、予防接種を受けるかどうかは個人の判断にゆだねられています。
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