幼児教育では必ずと言ってよいほど、音楽がかかわってきます。
しかし、一体なぜ子どもに音楽教育をさせる必要があるのでしょう??
幼稚に通うようになると、毎月変わるその月のうた、初めて習うピアニカ。
幼稚園の中では音楽があふれているように感じます。
ここでは、子ども時代にふさわしい音楽のすすめとその影響についてご紹介します。
幼児教育になぜ音楽は必要なのか
なぜ、幼児期に音楽教育を受けることが重要なのでしょうか??
子どもの発達には、幼児期、学童期とどの時期にも「適期教育」というものがあります。
それぞれの子どもの身体的・精神的な発達に応じて、その時期に最もふさわしい教育を受けることが大切である、という考え方です。
そしてこの考えをもとに、4~5歳頃の幼児期にしっかり音楽教育を受けると、音楽のさまざまな表情やニュアンスを聞き分け、表現することができるようになる、と考えられています。
4~5歳の幼児期に人間の聴覚が最も発達するからです。
また、この時期にたくさんの音楽を聴き、歌い、弾く体験を重ねることで、脳の聴覚野の神経細胞の数が多くなることが分かっています。
聴覚が発達すると、音楽の微妙なニュアンスを聞き分けることができるようになったり、絶対音感が身に付いて聞いた音をすぐに表現したりすることができるようになります。
小さい頃から音楽に触れる生活をしていることで、言語を聞き取る力が育ち言語能力の発達に影響があると言われています。
音楽教育3つのメリット
1・聴く力を養える
音を繰り返し聴くことで、聴く力を鍛えることができます。
そして、いろいろな音を聴き分けられるようになるといわれています。
2・音感を鍛えられる
赤ちゃんが、音楽に合わせて手をたたいたり、音楽に合わせて歌っているようなしぐさをしたり、小さい子どもは音楽が好きですよね。
小さい頃から音楽に触れた子どもは自然と絶対音感が身に付くようになると言われています。
絶対音感というと、選ばれた一部の人にしか発揮できない能力と考えられがちですが、実は誰でもその素質を持っています。
3・運動能力や理解力を養う
音感やリズム感は、運動能力や理解力の高まりに影響を及ぼします。
音楽を小さい頃から聴くことで、運動能力の発達が早くなり、理解力も高まるようになるとわかれば、幼児の頃から音楽教育を受けさせたくなります。
音楽を聴きリズム感が養われると、右脳と左脳の連携がスムーズになると言われています。
脳の使い方が上手になることは、運動能力の向上が期待できます。
子どもにすすめる音楽教育の種類とその影響
このように、幼児教育では子どもが小さいうちに音楽に触れることで、「子どもの可能性を伸ばそう」という考え方があるようです。
しかし、子どもに音楽の楽しさを知ってもらうには、わらべうたがとても効果的です。
では、なぜわらべうたが良いのでしょう??
それは、わらべうたは「音楽の母国語」といわれているからです。
音楽教育で知られるコダーイメソッドでは、音楽は世界共通の第二の母語であり、音楽教育はまず歌、自国のわらべうたから始まるという考え方です。
「音楽教室」という言葉は、子育てをしているとよく耳にする言葉ですが、子どもが楽器に触れたいといったり、親が音楽に触れてほしいという思いから通わせることが多くあります。
では、実際に音楽教室では、どのようなことをしているのでしょうか?
3歳くらいなら、音楽のイメージを膨らませながら歌ったり、打楽器や鍵盤楽器を使ったりして表現力やリズム感を体験します。
最近では、DVDを見るなど作られたイメージを見せるところもあるようです。
幼稚園に入ると、聴いた曲をくり返しドレミで歌ったり、弾いたりすることで、より音楽的な活動になっていきます。
音楽教室はあくまで「教室」であり、学ぶ場所です。
「うたうことは子どもの本能的な行為であり、ちいさければちいさいほど歌うことと一緒に動くことを要求する」
というコダーイの言葉通り、わらべうたには動きをともなったあそびがついています。
うたうことは、子どもにとって最適な音楽教材なのです。
現代の子どもたちの日常生活には、音楽があふれすすぎているといっても過言ではないでしょう。
テレビやお店で流れている音楽は子どもの耳の残り、ずいぶん難しい音楽を子どもたちは歌っています。
メロディー、リズム、歌詞などなかなかこみいっているような歌でも、器用に歌っている子どももいます。
けれども、テレビで歌われたり、幼稚園や保育園で教えられたりする歌は、子どもたちに本当にふさわしい歌ばかりでしょうか??
幼稚園で使われる歌は、本当に子どもにふさわしいものでなくてはなりません。
そして、ふさわしい歌を選ぶには、子どもの姿を正しく把握していなければなりません。
力んだり、どなったり、不自然な発生をしていませんか?
音程を正しく歌えていますか?
高い音になったとき、声が上がりきらずに音程がはずれていませんか?
子どもが出会う音楽の影響は、とても大きいものです。
わらべうたで育てる子どもの心
コダーイは、わらべうたを「人間同士の結びつき、生きる喜びを高めてくれるもの」といいます。
ここでは、あかちゃんとあそぶ、3歳以降に集団であそぶ、おなじみのわらべうたあそびを紹介します。
ちょち ちょち あわわ
とがったものをあかちゃんの目の前に出すと、あかちゃんはどうするでしょうか?
あかちゃんはその先端を見つめます。
そうすることをくり返し、あかちゃんは事物の形を認識していくのです。
指先を使ったこのあそびをくり返すことは、あかちゃんにとって、大切な学習をしていることになるでしょう。
<あそび方>
1・あかちゃんと向かい合わせに、うんと近寄って座ります。
2・あかちゃんの顔の前で、左右のひとさし指を近づけ、拍子に合わせてくっつけたり離したりします。(2回)
3・手のひらを口に当てたり、離したりして、おもしろい音になるようにします。
4・両手をこぶしにして前後にぐるぐる回します。
5・片方の手のひらを上に向け、もう片方のひとさし指でつつきます。(2回)
6・げんこつであかちゃんの頭をやさしく叩きます。(2回)
7・ひじを手のひらに落とすようなつもりで、打ちます。(2回)
いっぽんばしこちょこちょ
年齢の低い幼児がよろこぶ「わらべうた」のあそびです。
とくに3歳未満の子どもと親とのあそびとして昔から広く行われてきました。
この種の「くすぐりあそび」は、うたうこと、あそぶことを通じて、人間同士が心を通い合わせ、よろこびを分かち合うという能力の出発点にあります。
<あそび方>
1・子どもの手のひらにひとさし指で一をかいて、くすぐります。
2・手のひらをなでるようにすべらせ、2回たたいて1回つねります。
3・2本の指を足のように動かして、手の甲から肩へ少しずつのぼって、だんだんのぼって、肩までのぼって・・・
4・子どものわきの下をくすぐります。
あぶくたった にえたった
幼児期から児童期にかけての「鬼あそび」です。
「鬼=おばげ」に見立てたわらべうたで、古くから伝えられています。
このドラマチックな「つかまえ鬼」のあそびは、最近の子どもたちにも広く親しまれているようです。
鬼になった子どもは、自分の裁量でゲームをコントロールすることができます。
その「鬼」になるたのしさがあります。
<あそび方>
1・「鬼」を決めます。ほかの子どもは手をつないで鬼を真ん中にして輪をつくります。
2・手をつないだ子どもたちは、「鬼」の周りをうたいながら回ります。
3・「にえたかどうだか、たべてみよう」で「鬼」のところに集まって「ムシャムシャムシャ」で「鬼」の頭を触り、食べるジェス チャーをします。
4・「まだにえない」とうたったときは、うたを最初からくり返します。*「もうにえた」とうたったときは次に進みます。
(以下、地方によって違いがあるようです。)
5・「戸棚へしまっておきましょう」ととなえながら、輪の外の少し離れたところまで、「鬼」を連れていきます。
6・輪に戻って、次のようなことばをとなえながら、その内容のジェスチャーをします。
たとえば・・・「ご飯を食べますモグモグモグ・・・」「お風呂に入って、体を洗ってゴシゴシゴシ・・」「お布団敷いて、電気を 消して、寝ましょう」など。
7・「鬼」はタイミングを見計らって、輪の子どもたちに呼びかけます。
鬼・・・・「トントントン」
子ども・・「何の音?」
鬼・・・・「風の音」
子ども・・「あぁ、よかった」(安心したジェスチャーで)
鬼・・・・「トントントン」
子ども・・「何の音?」
鬼・・・・「電車の音」
子ども・・「あぁ、よかった」(安心したジェスチャーで)
・・・・(鬼が好きなだけくり返す)・・・・
鬼・・・・「トントントン」
子ども・・「何の音?」
鬼・・・・「おばけの音!!」
鬼が叫んだとたんに、ほかの子どもは逃げます。
鬼はだれかをつかまえます。
つかまえられた子どもが次の「鬼」になります。
まとめ
いかがでしたか?
わらべうたというと、子どもの頃にやっていたなぁと懐かしく思い出されますが、それがどういった意味があるのかなんて考えたこともありませんでした。
けれど、昔から伝わるわらべうたというものは、子どもの心に強く、深く残りますよね。
歌うことで、自然とリズム感がつき、聴覚も育ち、さらには親子の関係性も強まるわらべうた。
地方によってもさまざまなわらべうたがあるようなので、ぜひ親子で歌ってみてはいかがでしょうか。
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