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幼児期の音楽教育の効果とは?コダーイシステムに迫る

公開日: : 最終更新日:2019/01/30 コダーイの音楽教育

     

コダーイ・ゾルターンをご存知ですか?ハンガリーでは系統だった音楽教室が、幼児期から行われています。

その理論を確立したのが作曲家のコダーイ・ゾルターン。

ここではコダーイと彼の音楽教育についてご紹介します。

 

音楽教育 コダーイ・システムについて

コダーイとは?


コダーイ・ゾルターンはハンガリーの作曲家、民族音楽学者、教育家、言語学者、哲学者、そして音楽教育者です。

ハンガリーのケチケメートに生まれ、幼少時代の多くをガラーンタとナジソンバト(現在のスロバキアのトルナヴァ)で過ごします。

 

父親は熱心なアマチュア音楽家で、コダーイは子供の頃からヴァイオリンの学習を始めます。

聖歌隊で歌い、また曲を書いたこともありましたが、系統的な音楽教育を受けることはほとんどありませんでした。

1900年、コダーイは現代語を学ぶためにブダペスト大学に入学し、同時にブダペストのフランツ・リスト・アカデミーで音楽を学び始めます。

1950年から作曲家のB・バルトークとともにハンガリーの民謡を採集しはじめます。

1907年、音楽アカデミーの教授に就任。子どもがうたうのに適した歌を作ることにも力を入れました。

 

そうした作品に『100の小マーチ』、『333の読み方練習曲』などがあります。
1941年、論文『保育園における音楽』を発表、子どもの音楽教育の改革の必要性を訴えました。

 

後に、彼が理想とした音楽小学校が設立され、現代のハンガリーの音楽教室の礎ができました。

コダーイの理念は、いまも世界各国の音楽教育現場で『コダーイ・メソッド』として受け継がれています。

 

 

音楽だけではない わらべうたの底力

コダーイ・システムとはハンガリーの作曲家、コダーイ・ゾルターンによる子ども中心の音楽教育のこと。

コダーイは「子どもには真に芸術的価値のあるよいものだけを与えなければならない」と語ります。

 

そして、子どもに最もふさわしい音楽として提唱されたのが、それぞれの民族の『わらべうた』でした。


ではなぜ、わらべうたが子どもに最もふさわしいのでしょう?

それは『音楽の母国語』だからです。

わらべうた以上に、その国のメロディーが一体になっているものはありません。
生まれてきた子どもに、母親がはじめて話しかける言葉が母国語であるのと同じように、歌って聴かせる曲も、その国で古くからうたわれ、伝承されてきた普遍的な音楽、「わらべうた」であるとコーダイは考えました。

「わらべうたの純粋さの、人間的な価値はたいへん大きい。それは人間同士の結びつき、生きる喜びを高めてくれる」

 

とコーダイが言うように、乳児期には大人と子どものよい関係が、また幼児期には子ども同士のよい関係もわらべうたのなかで生まれてきます。

集団(社会)に適応する能力、自立、自律する力、創造力、想像力、空間認知、平衡感覚などさまざまな能力があそぶなかで育ちます。

もちろん音楽的能力も発達します。

 

「うたうことは子どもの本能的な言葉であり、ちいさければちいさいほど、歌と一緒に動くことを要求する」

というコーダイのことばどおり、わらべうたには動きをともなったあそびがついています。

あそぶなかで、子どもたちは自然に音楽のなかに流れる鼓動(拍感)を身につけていくのです。

 

「うたう」という観点からも、狭い音域でできているわらべうたは、子どもにとって無理なく歌える最適な音楽教材です。

なぜなら、幼児がうたうほとんどのわらべうたには、幼児の耳には聞こえづらく、歌いづらい「ファ」や「シ」などの半音が含まれていません。

 

「ペンタトニックの5つの大事な音(ドレミソラ)をしっかりとつかまえた子どもは、あとから適切な時期に、上からでも下からでもラクに半音をそこにはめることができる」

とコーダイは述べています。

 

コーダイ・システムの中では、聴く耳を育てることはたいへん大事に考えられてり、そのために幼児期に半音なしの歌を正しい音程、イントネーションでうたうということは大切だとコーダイは考えました。

このように、乳児期にたくさんのわらべうたを聴き、幼児期にたくさんわらべうたであそぶことで、自分の言語、自分の音楽の根をしっかりと大地に這わせることになります。

 

その上にこそ他の民族の音楽や人類の共通財産であるすばらしい芸術音楽をも積み上げていくことができるのです。

にほんのわらべうた・* 楽譜とCD (福音館の単行本)

アウリス グロッケン ペンタトニック7音

 

 

歌は子どもの力を引き出す

コーダイ・システムにおいて、最も大切な音楽行為はうたうことです。

 

「より深く、より高度な音楽的教養は、うたうという基礎の上に成り立つ。誰もが持っている声はすべての人のもので、最も美しい楽器である」

 

とコーダイは言います。

幼児期に平均律のピアノの伴奏をつけて歌うことは、子どもの耳を鈍感にし、清潔に(調子をはずさず、正しい音程で)うたうことに導いてはいかない、とも言っています。

たくさんのわらべうたであそぶなかで、自然にリズム感や聴感が育っていきますが、就学前に音楽の基礎的な能力を身につけるため、保育園・幼稚園では大人の計画のもとに、音楽的能力を発達させるための練習をする時間をもちます。

 

普通30分のわらべうたの課業(大人が目的意識をもって組織する時間のこと)のうち、5分くらいリズムの練習や、聴感を発達させるための練習に使いますが、その練習は子どもにとってあそびと思われるような遊戯的な方法で行ないます。

 

小学校に入ると、園であそんだ歌が教材になって、リズムや音を学び、楽譜の読み書きもできるようになります。

新しい知識を知識として教えるのではなく、必ず子どもたちが体験したものの中から教えていく、つまり、子ども自身がもっているもののなかから引き出していく、という方法がとられます。

 

コーダイの夢は、毎日音楽の授業がある学校をつくるということでした。

ハンガリーにおいて、それは音楽一般小学校という形で実現されました。

音楽は才能に恵まれた特別なひとのためだけでなく、すべてのひとにむけられるものと考えたからです。

 

「音楽の諸要素は、それぞればらばらでも、価値の高い教育手段である。
リズムは注意力、集中力、決断性、神経を統御する能力を発達させる。
旋律は感覚の世界の扉を開く鍵であり、強弱の諸段階と音色はわたしたちの聴器官感度を高める。
そして、最後に歌をうたうことは、からだの多様な部分の運動を意味する」

 

コーダイことばどおり、音楽には調和のとれた人間を育てる力があるのです。

コーダイは、

「いまの時代の機械文明は、わたしたち自身も機械化してしまう。
その運命からわたしたちを守るのはうたうことだけである」

と考えていました。

そして、

「人類は本当に音楽の価値を知るときに、よりしあわせに生きられる」

ということを確信していたのです。

 

 

 まとめ

いかがでしたか?

音楽教育というとなんだかむずかしそう・・・と思っていましたが、「わらべうたが子どもを育てる」とは目からうろこでした。

子どもの頃に歌ったり遊んだりしていたわらべうた。幼い頃はただ楽しくてうたっているだけでしたが、わらべうたに込められている意味を改めてかんじることもできました。

乳児教室などではわらべうたを紹介してもらったりしていますが、今実際に歌ってみようと思うとあまり思い浮かばなかったり。。。

 

先日、祖母がテレビを見ていたところ、3歳の息子がテレビで話している人を見て「誰に言ってるの?」と聞いてきました。

話をするということは、話を聴く相手が必要になります。

息子の言葉を聞いて、テレビのように一方的なものでは、子どもは話す力も聴く力も学ぶことができないように思いました。

それと同じようにテレビやCDから流れてくる音楽を聴かせるだけでは子どもの「聴く」という力はつかないのですね。

親の歌声を聴くことで、親の愛情が伝わるような気がしました。わらべうたから子育てしてみるのもいいですね。

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