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シュタイナー教育はなぜ芸術?教育法と芸術のつながり

公開日: : 最終更新日:2018/09/21 シュタイナー教育

     

「シュタイナー教育」聞いたことはあるけれど、どんな教育法なのか具体的には知らないという人も多いのではないでしょうか。

斎藤工さんが通っていたということでも話題になりましたね。

今回は、シュタイナー教育とはどんな教育法なのか、学校の特徴は?そして芸術とは?

そんな疑問についてご紹介します。

 

シュタイナー教育とは?

「シュタイナー教育」という呼び名は、その考案者である哲学者、ルドルフ・シュタイナー(1861~1925年)の名前からきています。

ルドルフ・シュタイナーは、現在のクロアチアに生まれました。

ウィーン工科大学で自然科学、数学、哲学を学んだシュタイナーはゲーテの研究に取り組むようになり、これまでの成果を踏まえて、人智学(アントロポゾフィー)という人間観、世界観を確立しました。

シュタイナー学校のはじまりは、第一世界大戦後のドイツのシュトゥットガルト。

この街の煙草工場の経営者がシュタイナーの思想に賛同し、工場労働者の子どもたちのための教育施設「自由ヴァルドルフ学校」を設立しました。

そこで、独自の思想を基にして、知性だけではなく全人的な成長を促すための教育に取り組むことになります。
(ドイツでは一般にヴァルドルフ教育学と呼ばれています。)

その後、シュタイナーの理論に基づいた教育施設は増え続け、世界中に広まっていきました。

 

7年周期説

シュタイナーの考えでは、人間は7年ごとに節目が訪れると言います。

7歳までを「第1・7年期」、次の14歳までを「第2・7年期」、21歳までを「第3・7年期」と呼びます。

 

🔶第1期(0歳から7歳)【からだの成長】

最初の7年は、その後の何十年より重要な意味を持っているとシュタイナーは言います。

からだがつくられ、頭部から胸部、四肢、腹部へと、肉体のそれぞれの器官や組織がきちんと機能するように発達をとげると同時に、周囲からさまざまなものを「受け取る」時期です。

歯の生え変わりまでは「体を作る」ことが大きな課題になります。

そしてからだに結び付いた「意志」の教育の時期です。

この頃の子どもは真似をする存在で、手本である大人を模倣していくことが教育の基本となります。

周囲を真似しながら何かやろうとする意志が育ちます。そのため周囲の大人は、模倣されてよい存在でなければなりません。

音楽に例えると、楽器づくりのころを表します。

🔶第2期(7歳から14歳)【魂(こころ)の成長】

豊かな内面生活と関係づくりのはじまり、呼吸・循環器官が成熟する時期です。

この年齢になると生活のリズム、癖や習慣もこの時期に身につきます。

覚えることができるようになるので学習がはじまり、教師や親を権威と感じて、それに従っていくことを望みます。

社会や他者との関係の中で「受け取ること」「与えること」がくり返され相互関係が生まれ、その体験を通じて自己教育・自己成長が課題になります。

「感情」の教育の時期です。

芸術体験や敬虔な体験を通して感情が育てられ、「世界は美しい」と感じることが、美や調和に対する感覚の基礎になります。

9前後になると内面生活が始まり、周囲の世界と「わたし(個)」との違いを強く意識するようになります。

音楽に例えると、楽器演奏の練習の時期となります。

🔶第3年期(14歳から21歳)【精神的・霊的成長】

人間としての成長期。筋肉や消化・代謝器官が発達し、生殖器官が成熟する時期です。

世界を客観的にとらえはじめ、論理的に思考することができるようになります。

人々や社会に「与える」ことができるかが課題
自分自身がまわりの世界に興味をもって意識的に関わっていくことを試行錯誤してやっていきます。
 
精神教育の時期です。

人間の理想像への目覚めが、性的衝動や欲望と対立します。
「世界には真実がある」と感じられることが、真理を求める感覚と健全な批判精神を育てていきます。
そのため、まわりの世界は正しいという感情をもつことができるような体験や学びが必要になります。

音楽に例えると自分の交響曲を作曲し、演奏する時期となります。

 

家庭で取り入れやすいシュタイナーのおもちゃ

 

自由への教育


シュタイナー教育は「自由な教育」といわれることがありますが、「自由への教育」です。

この「自由」というのは、成人したときに、しっかりとした自分をもち、社会やほかの人たちとほど良い関係をもち、そのなかで、何をすべきか自分でしっかりと決めて、それを実際に責任をもって行える人を育てることです。

つまりは、するべきことを自分で見つけて、実行できる人に育てるということです。

 

 

12年間一貫教育

ヴァルドルフ学校 - JapaneseClass.jp
シュタイナー教育を行う学校は、12年制の一貫教育です。

小、中、高校といった区切りはなく、1年生から12年生までの12年間を同じ校舎で学びます。

そして、担任となる先生も基本的に12年間変わることはありません。

エポック授業って?

学校では午前中の2時間近くを使ってエポック授業を行います。
エポック授業とは3~5週間、毎日同じ科目を学ぶことをいいます。

 

たとえば、算数を3週間学んだら、次は国語を3週間学ぶ・・・といったように行います。

 

集中して学ぶことができるので、その日に分からなかったことでも次の日に気になった疑問を聞くことができます。

シュタイナー教育では知識を覚えることよりも、学びの「核」のようなものをからだを通してつかみ取ります。

そのため、習ったことを忘れることも大切といいます。忘れることで子どもの奥深くへ入り込み、その間にこの「核」は子どもの中に息づいていきます。

 

 

教科書が存在しない

教科書が存在しないのもこの教育の特徴です。

学年によって大まかなカリキュラムのようなものはありますが、先生がその生徒たちに必要と考える授業を行います。

生徒たちは授業内容をエポックノートに書きます。

エポックノートはいわば、子どもたちの学びの集大成であり、結果として手元に残る自作教科書となります。

学習内容(1年生) | 学校法人シュタイナー学園

 

 

芸術が基本

子どもにとってあそびは生活そのものですが、子どものあそびと学びを結びつけるのが芸術となります。

芸術的に教育することが、知性を強く育てるとシュタイナーは言っています。

芸術性を取り入れることで、感覚に直接訴え、深い部分での学びができるようになります。

私を知る/シュタイナー思想から教育への画像|エキサイト ...

 

 

テストがない

成績で競うのではなく、対象への興味が学習の動機であるべきだと考えているため、テストは行われません。

教育の目的が試験で高得点を取れる知識を身につけさせることではなく、年齢ごとの発達にふさわしい働きかけにより、全人としての子どもを育むことを目的としているためです。

かけ算九九がはじまって~(1)|***Toujours ensemble***Veuillez envoyer ...

 

 

芸術って何のためにあるの?

シュタイナー教育は芸術的教育といわれています。

そもそも芸術って何のためにあるのでしょうか?

 

でもこの疑問の下準備として芸術って何かを考えておかないといけません。
芸術は美術館にあるのではなく、身近にあるもので、誰にとっても必要なもの。

決して高尚なものではないし、そうあってはならない。

だからポップだって、アニメだって、芸術であり、形に残る必要もないのです。

高価で売り買いされ、ビジネスの対象になるものが「芸術」と呼ばれているけれど、本当はそうではないのです。

 

人間が人間として存在していくために必要なのです。

未来と死という、見ることのできない荷物、とても重い荷物を人間は背負っています。

長い道のりの中で、その荷物で腰砕けにならないための支えとして芸術はあると思います。

人生とは思い出すだけで胸をかきむしりたくなる失敗が積み重なっていくこと。

 

そして表現されない感情は名前と形を求めて暴れまわる。

表現せずにはいられない表現衝動。

そこから芸術は現れてくるのです。

 

表現されない限り、感情は名前を持たない。
それは、記憶の中にとどまることなく、心を苛み続ける。

だから芸術は必要なのです。

 

呪いも歌も踊りも大声も、人々に伝わり、流通する限り芸術と呼んでよいのです。

芸術は美を求めるだけでない。

芸術の本質は、事実の中にあるのではなく、事実を超えたところにあるのです。

押しつぶされそうな悲しみにあふれる涙も、世界中の喜びが自分に集まってきたように感じられる幸せも「美」であるはず。

 

美とは他者と共有され、伝えられ、社会のなかで流通し、共有の財産となって蓄積されていくものだが、その本質はライブの中での表現と感動とのやりとりの中にある。

伝わっていく力こそ「美」。

そういった場面で、人間の情念は、事実を超えてゆくための足場となっていくのです。

事実を踏まえながら、事実を超えていくことこそ、人間存在の本質構造。

事実を超えてゆく力を、事実が与えることはできないのです。

芸術の本領はそこにあるといえるでしょう。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

シュタイナー教育をみていくと、日本の教育では考えられないような内容が多くありますね。

世界にはさまざまな教育方法が考えられ、それらは子どもたちの未来を考えられたものが多くあります。

シュタイナーだけでなくモンテッソーリやフレーベルもそうですね。

彼らは、子どもの生きる力や大人になったときのことも真剣に考え、教育方法を発案したのです。

いまの時代はさまざまな教育方法があり、それらを選ぶことができるようになりました。

しかし、日本では公立の小中学校に通うことが当たり前とされており、個々が教育を選ぶにはかなりの決意が必要です。

それぞれの教育をよく知ったうえで、教育のあり方、社会のあり方を改めて知ってほしいです。

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