ガーデニングは楽しみたいけれど、虫は苦手。
虫も自然の一部なので、仲良く暮らせるのが一番ですが、それで庭から遠のくのはもったいない!
そこで、虫嫌いでも楽しめる庭づくりをご紹介します。
虫嫌いの庭づくり入門
ハーブは効果あり?虫を大量発生させない4つのワザ
虫がこない環境を作る
庭の手入れこそ、食害する虫を大量発生させない一番のコツ。
虫を大量発生させないためには4つのルールで庭の環境づくりをしてみましょう。
1.気を密植せず風通しをよくしよう
密植した木を伸ばし放題にしておくと、気づかぬうちに虫の宝庫に。マメに剪定して風通しを良くしましょう。
2.日あたりをよくする
植物の生長が良くなるうえ、日陰を好む虫を防御できます。
3.土づくりから取り組む
化学肥料を施している土は窒素成分が多くなるので、アブラムシが大量発生することも。
4.同じ種類の植物だけを植えず、その土地に合った多様性に富む植物選びを心がける
花壇で1種類の花だけを植えると、そこへ病気や虫が入ってきたとき被害は全体に広がってしまいます。
多様性があることで食害する虫を食べる天敵などいろいろな生き物を呼び込むことで、1種類の虫が爆発的に増えることを防ぎます。
伝統的な混植で虫を防御
コンパニオンプランツと呼ばれる植物同士の混植を虫よけに活用してみましょう。
コンパニオンプランツ(混植)は伝統農法のひとつ。
もともとアジア諸国では、田畑の時間と空間をうまくコントロールするために混植が行われてきました。
日本でもトウモロコシと一緒にインゲン豆を植えることで、その蔓がトウモロコシを支柱代わりに利用したり、イネより出穂時期の早いヒエを水田に播種することで、鳥害を防いだりと、実は古くから混植は行われてきました。
もともとは農地を有効活用するための混植でしたが、植えてみたところ、互いの植物の生長を促進させたり、病気の虫やの食害を防いだりと、相乗効果が見られるようになり、農法のひとつとして使われるようになりました。
ほかにも、水田の周りにヒガンバナを植えてモグラや雑草除けとしたり、スイセンを植えて野ネズミの被害を防止したりと、数々の混植が伝わっています。
果樹に虫を寄せ付けないコンパニオンプランツ
ブルーベリー×ミント
ツツジ科のブルーベリーとシソ科のミントは、発生する病気や虫が異なるため、お互いに忌避して少なくなります。
ウメ×リュウノヒゲ
梅につくアブラムシやカイガラムシ、カメムシ類などをリュウノヒゲが忌避。日本庭園では古くから伝わる組み合わせだが、科学的解明はされていません。
ミカン×ナギナタガヤ
ミカンやユズ、レモンなどの柑橘類にはイネ科のナギナタガヤを混植。カメムシ類やアブラムシの食害が少なくなり、生育も促進されます。ビワを混植してもいいです。
オオバコ×ブドウ
ブドウにつくカメムシやヨコバエの天敵をオオバコが集めるため、虫の発生を防ぎます。オオバコは根を地中深くにはり、土を柔らかくしてくれる役目も果たします。
カキ×ミョウガ
ミョウガは地表を覆い、夏はカキの根を乾燥から守り、冬は枯れて肥料になります。虫を排除するのはもちろん、株周りの雑草が少なくなり、カキの自然落果も少なくなるとか。
効果的なシソ科とキク科
キク科の春菊は三大害虫といわれる・アブラムシ・ハダニ・ウリハムシに効果があります。
シソ科のマリーゴールドはヨトウムシやセンチュウの対策に効果的です。
虫除けになるといわれているハーブもシソ科が多くあります。
とはいえ、コンパニオンプランツはまだまだ未知な領域なので、いろんな組み合わせを試して有効なコンパニオンプランツを見つけ出してみましょう。
虫が避けてくれる植物
植えておくだけで虫が寄りつかない植物を使って、楽しい庭づくり。
庭に植えたい8つのハーブ
🔶🔶スイートバジル
シソ科で香りが強く(シネオールという成分)、コナガやアブラムシなどほとんどの害虫に効果あり。
🔶🔶チャイブ
アサツキの仲間。アブラムシに好まれるのでおとりにすることもでき、先端を切ると水分が流出し虫を忌避する。
🔶🔶コリアンダー
タイではパクチーで知られる。アブラムシ対策に効果的。食すと汗にパクチー成分が放出され、蚊を遠ざけるとか。
🔶🔶ローズマリー
洋服ダンスの虫除けに使われる樟脳と同じ成分を含む。
繁殖力旺盛なので、鉢に植えて育てるほうがいい。
🔶🔶ラベンダー
シソ科でとくに蛾の種類を寄せ付けない。殺菌効果や消毒作用もあり、古くから治療などにも用いられた。
🔶🔶マリーゴールド
根にむしよけの成分を含み、土の中のセンチュウなどに効果が高い。蚊など多くの虫も防ぐといわれる。
🔶🔶サルビア
シソ科。アブラナ科につきやすいハムシやコナガ、モンシロチョウを忌避するので、一緒に植えるといい。
🔶🔶チャービル
ウリバエなどの虫が寄りつかない。ナメクジが好んで食べるため、おとりになって他の植物の食害を防げる。
夏の蚊よけも植物で
いよいよ科の季節が到来。化学薬品を使わず、植物のパワーで対処!
蚊除けのために使われる植物は、ほとんどがその中に含まれる成分を抽出してアロマオイルにしたり、火にくべて使われることが多くあります。
ところが、飾っておくだけで蚊よけ効果のある植物が!!?
それは
ゼラニウムです。
網戸を使わないヨーロッパでは、古くから窓辺において飾るとともに、窓から虫が入らないようにするための定番の除虫植物です。
蚊だけでなく、多くの種類の虫にも効果があるとか。
なかでも、香りが強いセンテッドゼラニウムやローズゼラニウムは効果が高く、最強の虫除け植物です。
最近、日本で蚊除け草として売られているカトリソウも、実はゼラニウムの一種です。
ハーブの寄せ植えで相乗効果を期待!
ほかにも、ニームやシトロネラ、ティーツリー、ローズマリー、ニオイヒバ、ミント類、レモングラスも挙げられますが、ゼラニウムほど効果は高くないので、ゼラニウムと一緒に植えて相乗効果を期待しましょう。
🔶🔶ティーツリー
強い香りを放つオーストラリア原産の高木。
雑菌力が高く、古くからけがの治療などに使われてきた。含まれるシネオールが蚊除け成分。
🔶🔶ニーム
インドでは小枝を歯ブラシとして売っており、殺菌効果が高い。
火にくべて煙を出すと、蚊やハエ、ゴキブリなどの害虫を防御してくれる。
🔶🔶ミント
スースーした成分のメンソールを虫が嫌うので、虫よけ効果があるそう。
繁殖力旺盛なので、地植えするよりも鉢植えをおくといい。
🔶🔶レモングラス
歯にシトラール(虫よけキャンドルにも使われる)という蚊が嫌う成分が含まれ、レモンのような爽やかな香りがする。
入浴剤やポプリにも💛
日本の伝統の蚊除け
虫嫌いな成分や匂いを使った、昔ながらの自然に優しい農薬を紹介。
蚊取り線香はいつから?
日本の伝統的な蚊除けは、平安時代初期に「蚊火」(蚊遣り火)と呼ばれ、火鉢にカヤの木のチップや乾かした柑橘類の皮などをくべ、くすぶらせて使われていました。
庶民の間では、スギ、マツの青葉やヨモギ、山奥ではネズの葉などが燻され、大正初期まで使われてきました。
大正から戦後にかけて地方の農村では、ワラやボロ切れを縒った、先が段々太くなる縄状のものの先端に火をつけ、腰にぶら下げて煙で蚊を防いでいました。同じころ、明治に入って輸入されるようになったのが除虫菊でした。
除虫菊は胚芽に蚊の嫌う成分ピレトリンを含むため、蚊取り線香として使われるようになりました。
以降、蚊取り線香は日本の夏の風物詩までになりました。
🔶🔶ヨモギ
日本の代表的なハーブ。
乾燥させて物を燻すと蚊除けになります。
また、乾燥させたヨモギを焼酎に3か月ほど浸してスプレーするのも効果的。
🔶🔶除虫菊
原産地はクロアチア。
もとは観賞用だったが、除虫菊を捨てた場所だけ虫が死んでいることから、殺虫作用があることがわかったとか。
自然農薬で虫除け
🔶🔶材料🔶🔶
・木酢液200ml
・ニンニク10g
・トウガラシ10g
・ドクダミ30g
🔶🔶作り方🔶🔶
1.ニンニクは皮をむき繊維に直角に切る。
ドクダミは5㎜幅に刻む。
2.トウガラシはヘタと中のタネを取り除き、適当に刻む。
3.刻んだすべての材料をガラス瓶に入れ、木酢液を注ぐ。
4.2週間くらいおいたら、液体を600~1000倍の水で薄めてスプレー。虫の忌避、殺菌効果もある。
身近な材料でもつくれます!
🔶🔶多くの虫に効く草木灰
ゆっくり低温で焼いた枝葉や雑草をうっすら葉にまくと、食害を防ぐ効果がある。土にまけばナメクジやヨトウムシに。
🔶🔶余ったコーヒーの活用術
ダニやアブラムシの防除や病気予防に。薄めないで冷ましてからそのまま散布。ただし缶コーヒーはNG。
🔶🔶アリ退治に海藻エキス
ヒジキ、アラメなどを煮て、冷めたら気になる場所に煮汁をまく。家の中でも綿に含ませ要所要所に置いておくといい。
🔶🔶酢で天敵を避難させる
水で25~50倍に薄めて散布し、天敵を逃がす。食害する虫が先に戻ってきたところで自然農薬を散布。
🔶🔶ハダニとアブラムシに牛乳
薄めずそのまま散布。虫は気門で呼吸するので、牛乳で気門が塞がれ、繁殖が抑制されます。
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