20世紀 歴史から見る教育

世界の教育

20世紀に入るとヨーロッパ主戦場となった人類史上最初の世界大戦、第一次世界大戦が起こります。

世界が戦いに巻き込まれていくなかでも、教育者たちは人が生きていくために必要なことを様々な形で訴えてきました。

戦争があっても伝えられ続けている教育はどのようなものがあるのでしょうか。

そして、新しい時代だからこそ、生まれる教育もあるようです。

20世紀 世界の動き

1901年 ダイナマイト発明者ノーベルによるノーベル賞が始まる
1902年 日英同盟 – 日本とイギリスの同盟
1903年 ライト兄弟が有人動力飛行に成功する
1904年 日露戦争 – 日本 vs ロシア(日本の勝利)

1907年 (イタリア)モンテッソーリ
    ・障がい児の治療教育で成果をあげた感覚教育法を開発
1907年 (イタリア)モンテッソーリ
    ・ローマに最初の保育施設「子供の家(Casa dei bambini)」を設立

1913年 (アメリカ)ヘレン・パーカースト 
    ・マリア・モンテッソーリのもと共にローマ大学やミュンヘン大学で
     学ぶ(-1915年)
     彼女がほとんど唯一のアメリカにおけるモンテッソーリの代弁者
     となる。

1914年 第一次世界大戦(-1918年)
    中央同盟国(ドイツ、オーストリア、オスマン帝国・ブルガリアなど)
    と連合国(イギリス、フランス、ロシア、セルビア、アメリカ、
    日本、イタリアなど)との戦い。
    ・新兵器としては毒ガス・機関銃・火炎放射器・戦車・潜水艦・飛行
    機などが使用された。犠牲者は約1000万人となる。

1917年 (オランダ)<教育の自由>が確立
1919年 ドイツ労働者党が設立する
1919年 ヴェルサイユ条約(ヴェルサイユ体制が始まる)
    ・第一次世界大戦の講和条約。

1919年 (アメリカ)ヘレン・パーカースト
    ・モンテッソーリやジョン・デューイから着想を得た個別学習と協
     同によるドルトンプラン教育指導方を考案

1919年(ドイツ)シュタイナー シュトゥットガルトの煙草工場に付属        する社
         営学校として開校

1920年代(オランダ)オールタナティブ教育の増加

1920年 ドイツ労働者党が国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)に改称
1921年 アドルフ・ヒトラーがナチスの議長となる
1922年 (日本)ダルトンプラン教育 大正自由教育運動の末期に成城
小学校に導入

1923年 (デンマーク)ペーターセン イエナ大学着任 新教育の実験教育を
1951年まで行う。

1924年 (ドイツ)シュタイナー治療教育施設「ゾンネンホーフ」設立
1925年 (イタリア)ムッソリーニが独裁宣言説
1925年 (ハンガリー)コダーイが音楽教育に興味をもつ

1926年 (デンマーク)ペーターセン イエナプラン教育を発表
1927年 リンドバーグが大西洋単独無着陸飛行に成功する
1929年 世界恐慌

1929年 (イタリア)モンテッソーリ 
    ・教員養成コースと国際モンテッソーリ協会を開設、資格取得制度
     を整える。

1933年 ヒトラーがナチスの総統となり独裁政権が始まる。
    ・第一次世界大戦の賠償金及び世界恐慌による失業問題に公共事業、
     再軍備(雇用の創出)などで600万人の失業者を35万人に減少させ
     た。その他にユダヤ教(人)への迫害が本格的となる
     (ナショナリズムによるホロコースト)

1935年 (フランス)人里離れたピウリエの丘へフレネ学校を設立
1938年 オーストリア併合 – ドイツによるオーストリアの併合

1938年 (イタリア)モンテッソーリ インド政府により招待を受ける。
     ・第二次世界大戦のため10年近くインドで過ごす。
1939年 第二次世界大戦(-1945年)

1939年 ドイツによるポーランド侵攻から始まる。
    ・枢軸国(ドイツ、イタリア、日本など)と連合国(イギリス、フラ
     ンス、アメリカ、ソ連、中国など)の世界各地での戦い。
     イタリア・ドイツが降伏後、日本に原爆が投下されて戦争終結。
    ・新兵器や虐殺などの影響により犠牲者は約4000~5000万人位。

1941年 真珠湾攻撃 – 日本がアメリカを攻撃
1941年(ハンガリー)コダーイ『保育園における音楽』を発表

1945年 日本が無条件降伏をする
1945年 冷戦(-1989年)
    ・東西冷戦(アメリカ陣営:西側 vs ソビエト陣営:東側)

1945年 各国による核実験が盛んになる(-1989年)
    ・アメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国、インドなど。
1948年 アパルトヘイト – 南アフリカでの人種隔離政策

1949年 ドイツ民主共和国(東ドイツ) / ドイツ連邦共和国(西ドイツ)が成立
1957年 (ソ連)世界初の人工衛星(スプートニク1号)の打ち上げ成功
1958年 (ソ連)ボリス・ニキーチンとレーナが結婚。
独自の子育て論で世間を驚かす

1960年代(日本)モンテッソーリ教育学が紹介される。
    ・モンテッソーリ・プログラムを導入する幼稚園やモンテッソーリ教
     育を専門に行う「子供の家」が創設。

1963年 (イタリア)幼児のためのイタリア初の公立幼稚園
     (レッジョ・アプローチ)
1960後半 (オランダ)教育制度の改革~画一から個別へ

1961年 ドイツにベルリンの壁が建設される
1964年 東京オリンピックが開催される
1969年 アメリカのアポロ11号が月面着陸

1981年 (イタリア)レッジョ・エミリア・アプローチの研究と経験が公開
1981年 (オランダ)新教育の実施<幼児教育と初等教育の統合>
1986年 チェルノブイリ原子力発電所事故 – ソビエト連邦での原発事故

1989年 ドイツのベルリンの壁が崩壊
1989年 マルタ会談 – アメリカとソ連による首脳会談(東西冷戦の終結)
1991年 湾岸戦争 – 国際連合 vs イラク(国際連合の勝利)

1990年代 ~コンピュータ、インターネットによる情報化社会の到来(IT革命)
1993年 欧州連合(EU)が設立する

1999-2000年インターネット・バブル(ITバブル) – IT関連株へ過剰投資
2001年 アメリカ同時多発テロ事件
    ・テロ組織アルカイダによるアメリカでの航空機テロ事件。

まとめ

世界が戦いであふれる時代であっても、人々は成長することを止めません。

歴史を見ていくと戦争の多さが目につきますが、そんな中でも、国は違っても子どもを思う気持ちはだれもが持っているのだと思いました。

20世紀では、教育のあり方について考える思想家や研究者が増え、オランダにおいては長い時間をかけて国策として教育について議論されてきたことが分かります。

教育改革運動は、ヨーロッパやアメリカなどの先進国で19世紀の初めころに生まれたといわれています。

この改革運動は、古典的な授業形態に対して、「オールタナティブ(取って代わる方法)」として従来はなかった新しい理念や方法によって教育活動を展開しました。

モンテッソーリ教育、ダルトンプラン教育、フレネ教育、シュタイナー教育などは「オールタナティブスクール」とされ、今では日本でも関心が高まってきています。

20世紀の思想家と教育

🔶ボリス・P・ニキーチン(1916~1999)

🔶イエナプラン教育

🔶レッジョ・エミリア・アプローチ

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