幼児教育のプロに聞いた!育児で大事な3つのこと
公開日:
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最終更新日:2018/09/21
シュタイナー教育
子どもを育てるという当たり前のことであるにもかかわらず、今は子育てに悩む人が多い世の中。
育児の本もたくさん出ていて、読めば読むほど理想と現実のギャップに頭を抱えてしまいます。
先日、シュタイナー幼稚園の先生の講座があったのでお話を聴きに行ってきました。
そもそも育児の講座ってあまりないような・・・そんな気がします。
娘が生まれてからは、とにかく外との関係を作らねば!!という思いがありました。
なので、子育て支援センターに行ったり、幼稚園の園庭開放などへ遊びに出かけてみたり、地域の子育て交流に足を運んだり・・・。
いろいろ出かけましたね~( ´∀` )
でもそういった場所は出会いだけで、育児に役に立つ情報が特別得られるという訳でもなかったような、そんな気がします。
まぁ、育児の相談がしたかったら育児相談室に行けばいい・・・といった感じなのでしょうか。
そんな時、実際に子どもを育てている先生のお話をきけるというのは本当に心強いものです。
今回の講座は、もともと興味があったのもありますが、子育てをする親にはもってこい!!のお話でした。
幼稚園の先生のお話を聴く機会は少ないですからね。
実際、保育士を目指しておられる方も来ていました^^
ではどんなお話しだったのか・・・・ざっくりご紹介していきましょう。
「子どもと暮らし」講座
今回は横浜シュタイナー学園で行われた、乳幼児家庭向けの講座を聴いてきました。
講師の先生は「横浜なのはな園」の松浦先生。
シュタイナー教育を実践している方ですが、シュタイナー教育とはこうである!というよりは実際に乳幼児を育てている親へ向けての子育てのお話でした。
子育ての3つのポイント
お話の中で、子どもを育てるうえで大切にすべきこと・・・・
それは
・食べる
・眠る
・遊ぶ
この3つがあげられました。
1.食べること
その中でとても共感できたのが、今の子どもたちは空腹を感じることが少なくなってきているとのお話でした。
子どもがお腹を空かせていることは、かわいそうでも何でもないこと。
体内リズムをつくるためには必要なこと。
欲を満たすことは快・満たされないことは不快。
この二つを体験しなければ、快と不快が分からなくなってしまうということ。
その両極を知ることで、感謝の気持ちが生まれてくるということでした。
子どもには「感謝の気持ち」をもってほしいと常々思っていましたが、どうしたら子どもに伝わるのか・・・・・。
伝え方が分からず悪戦苦闘していました(-_-;)
「子は親の鏡」ともいうし、それなら大人が示していれば子どもにも伝わるのか・・・?と思っていましたが、それだけではなかった!!
体験は目に見えるものだけでなく、精神にも働きかけているのだということに気づかされました。
これって意外と気づかないポイントだと思いますφ(`д´)メ
子育てをしていると表面的なことばかりに目を向けてしまい、「できる」「できない」で判断しがちですよね。
なぜできないのか、どうしたらできるのか、親としては悩むわけですが(~_~;)
子どもは体験することで、感じて、考え、を繰り返すことによって、そこで感じたものを表すことができるようになるのです。
口先だけで、「人から何かをしてもらったら、ありがとうっていうんだよ」なんて言っていた自分が恥ずかしい!!!!(/ω\)
子どもたちに何が伝わっていたのだろうかと反省させられました。
2.眠ること
次に、眠るということは安心できる場所があってできる行為であり、眠っているときは「個」になるときということを教えていただきました。
幼稚園になくて、保育園にあるもの、といえば・・・・
みなさんわかりますか??
それは
「お昼寝」
お昼寝というのはとても大事な行為のひとつです。
起きている間というのは、「何か」とつながっています。
人との繋がりですね。
たとえ、一人でいても誰かのことを考えて生きています。
例えば、誰かのために夕食を用意しておかなければとか、何をしているかなとか。
幼稚園はだいたいお昼過ぎくらいまでで、お母さんが暗くなる前には迎えに来てくれます。
幼稚園に行っている間はずっと起きていますし、周りの人とずっとつながっています。
お母さんが迎えに来てくれることで、安心して「個」に戻ることができます。
そして保育園は、働いているお母さんができない保育を家庭に代わってやってくれます。
そのため、子どもたちは家庭の代わりに長時間保育園にいることになります。
長い時間集団の中にいるということに、子どもは疲れてしまいます。
そこで、お昼寝をすることで子どもは「個」に戻ることができます。
「眠る」ということは「休む」ということ。
当たり前なことなのですが、自分だけの布団で眠ることで子どもは「安心」することができます。
そのため、一人で眠っていることを大人は大事にしてあげることが必要です。
人は日が昇ると起きて、日が沈むと眠る・・・・
このリズムをくり返して生きています。
リズムができていると安心できるのです。
しかし、現代ではこのリズムも崩れてきています。
夜が明るい、遅くまで子どもも一緒に起きている。
眠ることは安心と不安を感じるもの。
シュタイナーは眠ることは「死」をまたぐことと言っています。
敏感な子ほど、眠りの世界へ一人で行かなければならないという恐怖心があります。
子どもが温かさにくるまれて眠ることが幸せなことであり、眠りに落ちやすくなります。
眠りにつきにくい子には、眠りの手順を作ってあげることで、子どもに安心できる環境を作ってあげるといいでしょう。
この「眠る」ことは安心と不安を感じることであり、そこから愛を感じていくのです。
3.遊ぶこと
最後に「遊ぶ」ことについて。
遊ぶということとは、「仕事ではないことで自分が楽しめることをやること」だと私は思います。
でも子どもの「遊ぶこと」というと、すべてが学びになるんですよね。
赤ちゃんがハイハイできるようになると、何か目的を見つけてそこまで確かめに行きます。
0~1歳のあかちゃんは探求心がいっぱいです💦
そんな赤ちゃんに大人はどんな声掛けをするのか・・・気にしたことはありますか?
あかちゃんの探求心に寄り添って声をかけるか、それとも自分が困るから声をかけるか、もしくは危険があって声をかけるのか・・・・。
そういった大人の存在すらも赤ちゃんや子どもにとっては「環境」のひとつになります。
幼児教育を学ぶとき「環境」という授業があります。
幼稚園、保育園の先生を目指す人はわかると思いますが、子どもに与える環境がいかに大切であるかということが分かります。
環境というと、身の回りにあるものと考えてしまいがちですが、そういった空間的なものだけでなく「人」も環境に入ります。
そのため、子どもと関わる保育者はそういったことにも配慮が必要になるという訳です。
あかちゃんの頃どんな声の掛けられ方をしていたか、どんな遊び方をしていたか・・・。
そこから子どもがどのような環境で育ったかがわかります。
ブランコに乗れる子と、乗れない子
この違いはどうしたらできるのでしょうか?
年長さんでブランコに乗れない子どもは、どうやったら乗れるのか?
それは、頭で考えるようになります。
ブランコに乗れるようになるには、幼い頃にお母さんのひざの上にのって体験すること、もしくは自分で乗って体験することで体で覚えていきます。
そういった様々な体験をしているか、していないかで子どもの成長に大きく影響してきます。
そういった体験は7歳までにすることが大切です。
なぜなら、7歳になると「できない」ということに恥ずかしさを感じるようになるためです。
できない自分を知ってしまうんですね(´-∀-`;)
現代の子どもたちはスマホやゲームなど、出来上がったもので遊ぶことが増えてきました。
これらは一方的に与えられるものであり、子どもからしてみると「楽しいことは与えられるもの」と思うようになってしまいます。
そうなると、楽しいことを求めても自分でつくり出すことをしなくなる子になってしまいます。
遊ぶということは、自分で何かをつくりだすこと。
たくさん遊んだ経験のある子は自分で幸せをつかむことができるようになるということでもあります。
子どもたちは想像力を働かせてあそびます。
1~3歳頃は何かに見立ててあそぶようになります。(ごっこあそび)
大人も「一緒にあそんで~」といわれることがあると思いますが、最近ではそういった子どもと一緒にあそべる大人が少なくなってきているようです。
ある幼稚園での実習生は子どもとの遊びの中で、オーバーリアクションをしてその場の世界をあっという間に大人の世界に変えてしまったそうです。
子どもたちのつくり出す環境を守るという点では、子どもの作った世界を大人が認めてあげることが大切です。
大人の視点で子どもの世界を壊さないようにしてあげたいですね。
ごっこ遊びは日々の生活を自分で実現させています。
子どもにとって周りの動きは遊びの中で再現しているのです。
生活のなかで何を体験するかで子どもの遊びは変わってきます。
それは遊びは体験から成り立っているからです。
ある子どもが回転寿司に行きました。
すると翌日の遊びは「回転寿司屋さん」。
いろいろなものをお寿司に見立てて、動かします。するとお客さんがきます。
お客さんが来ると、案内係も必要です。そうやって、子どもは何が必要かを考えていくのです。
子どもが遊ぶおもちゃとしては、シンプルなものの方がいいです。
そして、数も多すぎない方がいい。
それは、シンプルなものの方が子どもたちの想像力をかきたてるからです。
お寿司屋さんのおもちゃキットはおもちゃ屋さんに行くと売っています。
しかし、キットはそれ以外の遊びにはならないのです。
お手玉であれば、お手玉がお寿司になり、アイスクリームにもなります。
自分たちで作り出す力ですね。
遊ぶということは喜びと悲しみの行為です。
誰かとあそぶことで喜びを感じ、喧嘩をしながらも相手を思う気持ちが生まれてくるのです。
どんなに時代が変わっても、生まれてくる子どもが変わることはありません。
子どもが何を体験するのか、何を体験させるべきなのか。
大人は考えるべきだと思います。
今は赤ちゃんの頃からスマホを触っている姿も見かけます。
画面に向かって話もできる時代です。
これからの子どもたちはその中で育っていきます。
本物とは何か??
本物を幼児期に体験させること。
そんな当たり前であったことが、今求められている気がします。
まとめ
「食べる・眠る・遊ぶ」は、ただただ体験するだけでなく、大人の関わり方、大人の在り方で子どもの成長は大きく変わってしまうのだ。
と思ったら、本当の大人になるにはもう少しかかるかも・・・(・・;)なんて。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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