フレーベル幼稚園はどんなところ?フレーベル幼稚園の目的と遊びの特徴を紹介

フレーベル教育

「子どもはあそぶことで人生を学ぶ」といったフレーベル。

フレーベルの考えた幼稚園では、いったいどのようなことをして過ごすのでしょうか?

フレーベル思想が息づく、フレーベル幼稚園の目的と遊びを紹介します。

フレーベル幼稚園の目的

ドイツの教育学者で幼児教育の祖であるフレーベルは、幼稚園という言葉だけでなく、幼児教育の基礎となる思想や形を作り上げました。

世界の多くの国々で幼児教育のための学校を「Kindergarten」、「kindergarten」と呼んでいます。

日本語の「幼稚園」はそれを翻訳したものです。

お絵かきやお遊戯などが重視され、遊べる園庭と花壇があるというのは彼のコンセプトを受け継いでいます。

それは遊びや作業を通じて子どもの感受性や主体性を育てるべきという彼の主張からきています。

 

フレーベル教育では、「人間は幼児期から人類の一員であると認識され、保育されるべきである」と考えられています。

そして教育における2つの目的は、「国家や社会のための教育」と「個人の発達と人格形成のための教育」です。

つまり、子どもの人格の成長にとって、個人的な体験と社会的な体験の両方が必要と考えました。

 

フレーベル教育の3つのポイント

1:自然の不思議を体感することを重視し、子どもたちが庭で遊び、庭を育てること

2:子どもたちの感覚と感性を育てる歌遊びに重きを置いていること

3:恩物と呼ばれる積み木遊びの時間を大切にしていること

 

フレーベル幼稚園の遊びの特徴

1.さまざまな素材の質感を体験できる庭


「kinder Garden(子どもの庭)」という言葉のとおり、フレーベル幼稚園の園庭には大きな庭と、かつてフレーベルが子ども一人ひとりに与えたという50cm四方程度の畑状の庭が約20ほど、そして大きな丸い庭がひとつありました。

フレーベル幼稚園の園庭の最大の特長は、なんといっても大きな庭。

自然の草花や水辺の植生が再現された中に、砂利や小石、木など子どもたちは自然のさまざまな素材に触れながら、かくれんぼやおにごっこをして遊びます。

砂場には、たくさんの松ぼっくりが埋められており、植物の少ない冬場でも砂を掘れば自然のものを発見できるアドベンチャー的なたのしさにあふれています。

 

植物の成長に自分の成長を重ね合わせて


フレーベルは、子どもが草花を育てることで、自分の成長を意識できるようにしたといいます。

フレーベル幼稚園に庭には、子どもたちがあそびながら自然にいのちの移り変わりを見出せるような工夫が随所に見られます。

そこにこそ大人の知恵があるように感じられます。

 

2.感覚や感性、運動能力を育てる歌遊び

フレーベル教育は、感性と情操面に働きかける歌遊びにも力を入れています。

歌遊びは、歌いながら手や足を使うことも多く、表現運動やリズム運動・音感を高めるためにとても有効な遊びです。

また、身体的発達を育てるものとして運動遊びも重視されています。

子どもが健やかに成長するために、歌遊びや運動遊びは欠かせません。

フレーベル教育においての遊び歌は、子どもは大人の真似をしながら体を動かして歌います。

また、歌詞を理解することも重要な作業の一つです。

子どもと一緒に歌う歌詞には、「楽しい」・「思いやり」・「嬉しい」といった、ポジティブな意味が含まれています。

子どもたちは自分が大切にされていること、愛されていることを知り、感謝の心も育みます。

 

 

3.「恩物」という名の積み木

フレーベルの考えた積み木、Spiel Gabeは「神様の贈り物」を意味し、日本では「恩物」と訳されています。

20種類あるうちの第1~第6恩物までは保育者と一緒に使うものとみなされており、子どもたちは見本をみてその真似をしてあそびます。

あそび方を覚えた子どもは、さらに自由につかえる積み木であそんでいきます。

積み木専用コーナー

この自由に使える積み木ですが、フレーベル幼稚園の特長的と言えるのは、専用の積み木コーナーがあることです。

子どもたちは、小屋のような大きな構築物をつくり、さらにその中で自動車を走らせたり、人形を入れたりしてあそんでいますが、専用のスペースがあるため、あそびが終わっても積み木を片付けることはしません。

自動車や人形は箱にしまいますが、構築物は壊さずに次の日もそこにありました。

つまり、子どもたちは前日の続きからはじめられます。

明日きても同じ場所にあるので、子どもたちは安心してあそび込むことができます。

継続性の中で集中力が身につくわけです。

 

子どもは秩序だったことが好き

フレーベルの積み木のよさは、木でできており面取りがあまりされていないことです。

安定性があり、積み重ねに向いています。

専用の箱がありますが、実はこの箱も大事な道具のひとつです。

一般的に、子どもは散らかすイメージがありますが、実は非常に秩序だったことが好きです。

箱に入ったものをだしてあそび、そしてまた箱に戻すと、ひとつの一体感のあるものになるということのなかに、子どもは喜びを見出すとされています。

分割されたものが、ひとつの一体感あるものを目指すことは、フレーベルの教育思想の根底にも流れているものです。

シンプルな形から複雑な造形物へ


フレーベルの積み木あそびには段階があります。

あそび始めは横に並べる。

次に積み上げていく。

それができるようになった子どもは、家の柱や道路など構築物をつくることに挑戦するようになります。

最初の頃は子どもも構築物に対するイメージが曖昧ですから、子どもだけに任せると、積んでは壊します。

ですので、大人は子どものイメージを助けるようにして、これは〇〇だよね?と新しいイメージを与えていくことが大事です。

 

>>フレーベルの子ども観と教育思想

     

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